TIMEMORE「chestnut X lite」
ネタバレすると、2022年ついに登場した今年度最強のコーヒーミルです。
何故に最強と言えるんや?
今までに他社で実現不能だった切削領域に達したからですね
手挽きミル界隈では近年ステンレス刃が主流となり、性能の差別化が難しくなりました。
特にアジアでは多くの企業が似た刃で製品を販売し、完全に飽和状態です。
その中でも、最前線を走っていたのがタイムモア。
低コストかつ高級ミルに匹敵する栗子C2は、多くの人気を集めて一躍有名になりました。
それに追随するように、似た刃を持つ製品がこぞって登場しています。
という流れで、タイムモアは差別化のために新たな刃を開発する必要がありました。
そして生まれたのがS2C刃ですね
S2Cは「Spike to Cut(突き刺して切る)」という考え方をコンセプトにした刃です。
他社にはないタイムモアの開発力が生み出した技術の集大成やな
栗子Xに始まり、栗子C3・栗子X liteの登場でS2Cのラインナップは3台になりました。
これでタイムモアは、他社とは全く異なる強力な独自性を手に入れたと言えます。
そして刃は見た目だけでなく、実用面でも大きな進化を遂げています。
その進化した刃こそ、X liteで使用されている「S2C 880」です。
S2Cはそれぞれ、下記の仕様に分かれます。
- 栗子X:S2C 860(SUS440/42mm)
- 栗子lite:S2C 880(SUS440/42mm)
- 栗子C3:S2C 660(SUS420/38mm)
栗子X liteに使用されるS2C 880は、過去30種類以上のコーヒーミルを数値検証した中でも異次元のレベル。
正直、X liteは次世代機と言ってもええくらいやで
そんなX liteの実力を、検証結果を通して詳しくチェックしていきましょう。
挽き目の目安・分布検証
同一の豆を用いて、最小粒度とそれぞれの抽出方法に適した挽き目を検証します。
極細挽き・細挽き
- 豆量:10g
- 目開き:600/700μm
X liteの表記上の最小粒度は5クリックとなっています。
ダイヤルに数字が振られており、数字の間の「・」は0.5クリックとのこと。
検証した結果、推奨粒度ではエスプレッソ挽きはできない事がわかりました。
5以下なら極細挽きできますが、3以下は刃を痛める可能性があるため非推奨です。
説明書上では3以下が使用禁止やけど、逆に3.5以上は使用可能ってことか?
この点に関し、いーてんさんが確認してくださっていたので引用致します。
TIMEMOREの栗子X liteの説明書で気になる点があったので、顧客サポートに問い合わせ👀
要旨
✅3クリック以下は使用禁止
✅4.5クリック以下は使用はしない方がいい。
✅4.5クリック以下で刃が干渉してもサポート対象外(仕様の範囲)ということでした。
御参考までに。 pic.twitter.com/HVzVGENjWG
— いーてん☕📝 (@kafei_mi) June 9, 2022
確認の結果、4.5以下では使用しない方が良いとの結論になりました。
やるとしても自己責任って事ですね
中挽き
下記の記事にて中挽きの目安を確認した結果「13」~「16」が適している事がわかりました。
そこそこ細かく調整できるな
こまめ家の基準にしているCOMANDANTE「C40」の挽き目と比較しても、違いは歴然。
1181μm以上の粗い粉量が圧倒的に少ない特徴があります。
つまりX liteは、極限まで粒度のバラつきを減らす事に成功しているんですよね
今まで検証した中で、X liteほどの均一性を実現できたミルはありません。
その性能が味にどう反映されてるかは、動画をチェックしてみてな
粗挽き
- 豆量:10g
- 目開き:1400/1600μm
上記の概要を踏まえてJPproの挽き目「125」と比較し、どの程度粗挽きに対応できるかチェックします。
- 1601μm~:3.3g
- 1401~1600μm:2.2g
結果「23」が近い挽き目となりました。
比較すると、粗挽きでも粒度が揃っている事がよくわかります。
中挽きだけでなく、粗挽きも適切な粒度で楽しめますね
1段階ごとの幅も狭いから、微調整できる点もええな
微粉量検証
こまめ家では300μm以下を微粉として扱い、中挽きの適正範囲における微粉量を割り出しました。
お湯に溶かすと泥状になるで
X liteの中挽きにおける微粉量は9〜12%と、全コーヒーミルの中でも最も少ない値を出しました。
コマンダンテも10〜12%とトップクラスの微粉量の少なさでしたが、並ぶことはあってもそれ以上に少ないミルはXlite以外ありません。
ちなみに0.1gの違いを見える化するとこれくらいの差があるよ〜
プレスやメッシュフィルター等で、この微粉量の少なさは重宝しますね
エスプレッソ抽出検証
- 機材:Francis Francis X3
- 粉量:16g
- 圧力:9気圧以上
- 抽出時間:20秒以上を目標
- タンピング圧:10~15kg
- バスケットサイズ:49mm
FrancisFrancis X3はバスケットに詰め込める粉量が16gで限界。
機材自体は優秀ですが、相応の性能を持つミルでないと抽出はできません。
検証したところ、4.5クリックで21秒になりました。
推奨粒度より下ですが、一応挽く事自体は可能ですね
基本的に推奨粒度の「5」ではエスプレッソ抽出できないため、細挽きからの使用が妥当です。
家庭用で無理やから、極細挽きは不可ってことやな
グラインド速度比較検証
- 豆量:20g
- 挽き目:15
上記内容でX liteの回転数とグラインド時間を測定します。
確認した結果52秒(102回転)という結果になりました。
Xよりは速くなり、挽きやすさと速度が絶妙な感じですね
TIME MORE「栗子X lite」の評価
- 挽き目の範囲:○(細~粗挽き)
- 微粉量 :◎(非常に少ない)
- 挽き心地 :◎(非常に良い)
- メンテナンス:◎(非常に簡単)
- 粉砕速度 :△(やや遅い)
- 持ち歩き :△(やや重い)
栗子Xは万能タイプだったのに対し、X liteはドリップ向きの仕上がりになっています。
liteって書いてるからてっきり廉価版かと思ったら、めちゃ進化してるやん
栗子Xでネックに感じていたポイントを、ほぼ解決していますね
代わりに極細挽きは実質不可のため、万能さを求める場合は栗子Xやコマンダンテが優位です。
プレス・ドリップ中心の場合はX liteとか、抽出方法での使い分けもアリやな
何にしても、X liteで体験する味はきっとあなたのコーヒーライフに衝撃と感動を与えるはず。
その違いを、是非他のミルと比較して検討してみて下さい。
というわけで、今回の検証は以上です。
TIMEMORE製品は多数あるから、是非比較しながらチェックしてみてね〜
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡お願いします。
LINE登録は記事の更新通知・イベント配信も受け取りやすいからオススメやで!
この記事が良かったと思ったら、ブックマーク・シェアもよろしくね〜
コメント
コメント一覧 (3件)
[…] TIME MORE(タイムモア ) […]
エスプレッソ専用のミルがほしいですが、タイムモアのC3ESPとコマンダンテC40 MK4どれが強いでしょうか?色々調べましたが、タイムモアのC3ESPに関するレビューが少なすぎて…
espはこれからチェックする予定なので、SCAJ後までお時間頂けませんか?
現状では、コマンダンテはレッドクリックス無しでは微調整が難しいため選択肢としてはC3ESPの方が向いているとは思います。