持ち運びやすく、優秀なコーヒーミルといえば何を想像しますか?
現在多くの手挽きミルが販売される中、携帯性が高く使いやすいミルは重宝されています。
ただ、家庭用では少し役不足・・・という製品もそこそこありますよね
今日はそんなイメージを覆す、家でも外でも優秀なコーヒーミルを紹介します。
1Zpresso「Q2」
高級で優秀なコーヒーミルを多く開発する1Zpressoが発売した、携帯性重視の小型ミルです。
Q2を一言で表現するなら、小型で何でもできる万能選手!
今回はそんなQ2の優れている点に注目し、魅力をお伝えしたいと思います。
目次
1Zpressoとは?
1Zpressoは、
台湾で2014年に創業した企業です。
そのためか、1Zpressoの製品は精度と堅牢さが飛び抜けて高い特徴があります。
一足先に優秀で安価なコーヒーミルを出していたタイムモアと比べると、1Zpressoは初期から高性能・高級路線で差別化しています。
そして1Zpressoを代表するミルといえば、Zproです。
2019年に発売し、SCAJにも登場した当初から多くのコーヒーラバーが息を飲みました。
それまで手挽きミルで猛威を振るっていたコマンダンテとは別路線で人気になったな
その人気の秘密は、
斬新な構造にあります。
手挽きミルの課題点だった挽き目調整の手間をカットする事に、いち早く成功していました。
イベントでもどこでも、その場の状況に合わせてインスタントに調整ができる唯一無二の設計。
斬新な発想を形にしたコーヒーミルのパイオニア。それが1Zpressoです。
1Zpresso「Q2」の特徴
基本情報
▪︎名称:Q2
▪︎容量:15~20g
▪︎重量:403g(ハンドル込)
▪︎寸法:(高さ)14.5cm(直径)4.6cm
▪︎ミル刃:コニカル刃
▪︎挽き目:80段階程度(実質無段階)
小型で携帯性に優れる
Q2はステンレス刃を使ったミルの中では軽量な部類です。
ハンドル込みで約400g程度。
携帯性に優れるslim plus(TIME MORE)と比較すると30g程度軽いです。
逆にnano plus(TIME MORE)より少し重いくらいやな
手挽きミル史上最小のnano plusは、本体が小さく軽い代わりに容量が12g程度と少なめ。
Q2の容量は15g~20gなので「nano plusは小さ過ぎる」と感じる方にはベストなサイズ感ですね!
グリップがオシャレで優秀
Q2の木目のような部分は、シリコン製のグリップになっています。
ステンレス刃を採用
Q2はステンレス刃を採用しながらも、軽量な事が大きな特徴です。
左Q2右C2(TIME MORE)
見た目はほとんど同じ。
手挽きミルの刃の材質は大別して以下の3つあり、Q2はステンレス刃にあたります。
刃の材質の種類
▪︎鋳鉄
▪︎セラミック
▪︎ステンレス
ステンレスはセラミックに比べて切れ味に優れ、鋳鉄より錆びにくい特性を持ちます。
しかし、ステンレス刃を採用するとミルの重量は重くなりがち。
その中でもQ2は非常に軽量なため、極力荷物を軽くしたいユーザーにとって貴重なミルといえます。
外刃を簡単に外せる
Q2の最大の特徴がメンテナンス性の高さ。
その秘密は、外刃が外れる画期的な構造。
ところがどっこい!Q2は唯一無二の特別な構造を持っています!
Q2は内刃をつけたまま、外刃を外す事も可能な機構が特徴的。
この状態でブロワーなどを使って簡易清掃ができます。
ポイントは、外刃と軸をボディから独立させた構造にしている事です。
例えば、最近注目されているVariaのミルと比較してみましょう。
Variaも外刃を外せるミルですが、まず内刃を外さないと外刃は外せません。
ボディが軸を受ける構造になっているため、外刃を外そうとすると内刃と接触します。
幅広く微調整可能な挽き目
Q2の挽き目は極細~粗挽きまで約80段階程度あります。
ダイヤルの数字と数字の間に2段階あり、挽き目の微調整が可能。
また、極細挽きも難なく対応できます。
最小粒度だと、エスプレッソマシンが詰まるくらい細かくなるので注意が必要。
ダイヤル番号基準で「11(33クリック)」段階周辺がエスプレッソに適した粒度です。
エスプレッソにおいては6段階近く調整ができるので、拘りを持つ方も楽しめるレベルになっています。
細挽きに強いと言われるデロンギの電動ミルでも、極細挽きは3段階までですからね
小型でも高いクオリティの細挽きができるって事やな!
1Zpresso「Q2」の評判・口コミ
▪︎掃除がしやすい
▪︎非常に軽い力で挽ける
▪︎速く挽けて精度も高い
レビューにあるように、サイズ感や重量が丁度良く高評価です。
1Zpressoの出しているミルの中でも、挽き心地は一番良いですね!
刃はTIME MORE「C2」やVariaと似ていますが、挽きやすさが全く違います。
構造の違いが挽き心地に与える影響って案外デカいんやな
また、Q2独自の構造によるメンテナンス性の高さも魅力。
明らかに他のミルに比べて、メリットを感じるポイントですね!
1Zpresso「Q2」検証
挽き目の検証
特徴でも紹介した通り、Q2は広い範囲の粒度をカバーできます。
エスプレッソ挽きは当たり前のようにできる他、粗挽きの粒度も対応できるオールラウンダーです。
今回は実測を元に以下の目安を確認します。
①極細挽きはどこまで可能?
②粗挽きはどこまで実用的?
③中挽きはどのあたり?
①極細挽きはどこまで可能?
Q2は挽き目「8(24クリック)」から使用可能ですが、細過ぎて時間がかかります。
なので今回の検証では「9(27クリック)」からチェックしています。
ダイヤルの見方は、3つ点がある内の真ん中の点が目安。
画像は「0」から反時計回りに9段階進めて「1」に到達した状態です。
「9」「10」は細か過ぎるので、基本的に「11」「12」あたりが運用しやすいです。
試しに「11(33クリック)」でエスプレッソを抽出するで
抽出条件
▪︎粉量:16g
▪︎湯温:90度
▪︎圧力:9気圧
▪︎抽出時間:45秒以上を目標
▪︎タンピング圧:10~15kg
上記条件で丁度良い仕上がりになりました。
「9」「10」で運用する場合は、粉量を減らすかタンピング圧を減らす等の工夫が必要です。
②粗挽きはどこまで実用的?
粗挽きの目安としてJPpro「125」と比較し、Q2の粗挽きが何段階目かチェックします。
結果、Q2は「29(87クリック)」あたりが実用的な範囲となりました。
説明書によると粗挽きの推奨粒度は「28」~「32」なので、記載通りです!
③中挽きはどのあたり?
中挽きの定義は様々ですが、当サイトはカルディの挽き目「8」を基準にします。
入手しやすくチェーン系列の中で一番粒度が均一なため、中挽きの基準として参考にしやすいです♪
検証した結果「21(63クリック)」あたりがベストな挽き目になりました。
まず「21」で試して微調整するのが良さそうですね!
【2022年11月4日追記】
中挽きの検証について最新の検証方法に更新しました。
https://komame-coffee-labo.com/ikuse/2022/11/04/1zpresso-q2
上記の方法で再検証した結果、65・66クリックが中挽きに妥当な粒度となりました。
グラフ化すると以下のような内容になります。
明らかに基準の挽き目とは分布が異なり、細かい粒量が多い傾向にあります。
ドリップでの用途としては、中細挽きあたりがええかもやな
微粉量検証
Q2の微粉量を確認するため、以下の方法で検証しました。
▪︎豆を20gをグラインド
▪︎500~1400μmの篩(ふるい)にかける
上記の条件で検証した結果、以下のようになりました!
▪︎1401μm以上:2.7g
▪︎1101~1400μm:6.3g
▪︎801~1101μm:4.7g
▪︎501~800μm:3.7g
▪︎500μm以下 :2.2g
似た刃を待つC2(TIME MORE)と比較すると、ほぼ同じ粒度です。
以上から、Q2の分布は現在活躍しているミルの中でも平均的な分布と言えます。
グラインド速度比較検証
Q2の挽き目「21」で豆20gを挽いた際の速度を比較します。
検証の結果Q2は41秒で挽き切れました。
グラインド速度比較一覧
▪︎Q2(1Zpresso):41秒
▪︎ポーレックスミル2:1分15秒
▪︎C2(TIME MORE):44秒
▪︎Zpro(1Zpresso):50秒
▪︎JPpro(1Zpresso):30秒
▪︎スマートG(HARIO):2分30秒
▪︎栗子X(TIME MORE):1分30秒
▪︎C40(COMANDANTE):1分4秒
Q2は口コミ通り、グラインド速度に優れている事がわかりました。
1Zpresso「Q2」のメンテナンス方法
Q2は外刃だけを外す方法と、完全に分解する方法の2種類でメンテナンスが可能です。
簡易メンテナンス用
↓↓↓↓↓↓
完全分解メンテナンス用
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ワッシャーは2種類あり、どちらも凸部分が内側になるよう入れて下さい。
また、ダイヤルは締め切った際に真ん中の点が0でない数字に止まったらやり直し
一度ネジを外して180°ダイヤル盤を回転させて締め直します。
実はここにもQ2の優れたポイントが隠れているんです!
Q2はダイヤルの嵌め込み穴が2つあるため、嵌め直しが簡単にできるようになっています。
1Zpresso「Q2」の評価
メリット・良い点
▪︎清掃がしやすい
▪︎優れた性能かつ軽量
▪︎挽き目がわかりやすい
Q2は小型でありながら、粒度の範囲と構造面で他を寄せ付けない強力な利点があります。
同社のZproと比較しても、粗挽きも対応可能なQ2の方が幅広く活躍できますね!
また、ダイヤル盤の存在で現在の挽き目がどの程度か確認しやすい点も優秀です。
目安の数字が「9→8→7」の順番で粗くなる謎仕様ですが、慣れれば問題ありません。
コマンダンテなどはクリック数を確認しないといけないので、すぐに合わせられるQ2は低ストレスで楽しめます。
デメリット・気になる点
▪︎挽ける量が2杯分ギリギリ
▪︎構造自体は複雑で全分解に慣れが必要
総じてバランスが良くデメリットが見当たらないので、強いて言うなら上記かなと
携帯性に優れたミルの宿命ですが、多くの人に振る舞うには容量面で不向きです。
「3人分くらいは挽けるミルがいい!」という方は、下記のミルが該当します。
また、簡易清掃は可能なものの本格的にメンテナンスとなると少し複雑な構造です。
中国・台湾のミルは軒並み同じ構造のため、慣れている方は大丈夫だと思います。
コマンダンテ等は部品が少ないので、そちらと比べると難しいという感じですね
パーツ量は一目瞭然やけど、それだけQ2は隅々まで掃除できるってことやな
1Zpresso「Q2」をオススメしたい人
▪︎最低限の容量は欲しい(15g以上)
▪︎家でも外でも使える優秀なミルがいい
▪︎どんな挽き目も対応できるミルが欲しい
▪︎エスプレッソのクオリティも拘りたい
▪︎掃除しやすいミルを選びたい
もしTIME MOREの上位モデルを検討しているなら、Q2も検討して欲しい!
安価で高性能なTIME MOREのミルより値は張りますが、物足りない部分のほとんどを解決してくれます。
同価格帯でG1があるので、比較したい方はこちらの記事もご覧下さい。
1Zpresso「Q2」レビューまとめ
多く存在する手挽きミルの中でも、Q2のような良さを持つ小型ミルは希少です。
しかし1Zpressoのミルは個性的なものが多い故に、Q2が目立ちにくいんです
例えば400段階の挽き目を持つJ-Maxなど、奇天烈な化け物みたいなミルが何機か販売されています。
家庭用の域を超えて、逆に使い手に高いスキルを要求してくるような製品やな
その他に、ZproやJPproなどの画期的な外ダイヤルを採用したミルの存在感の方がどうしても強烈。
影に隠れてはいますが、Q2も紛れもなく優秀なミルの1つです。
この記事を機に、Q2も検討の候補に入れてみませんか?
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コメント
コメント一覧 (6件)
[…] 1Zpresso […]
いつも参考にさせていただいております。
多数の検証と有用な情報をありがとうございます。
1Zpresso「Q2」検証―挽き目の検証―③中挽きはどのあたり?
上記の項目の検証結果について、確認をさせてください。
「21(63クリック)」あたりがベストな挽き目 とのことですが、
私の手元のQ2と結果が乖離しております。
感覚としては半周~一周位、違います。(+15~+30クリック程)
※スタートは0にならず、押し込むと0から-1(-3クリック)です。
私のQ2は先月に買ったものなのですが、ここまで違いがあるので1度メーカーの品質保証を受けようか考えております。
保証を受ける前に、私のQ2が不具合(?)を起こしているのか少しでも確証を得たく、
こちらの記事にある結果「21(63クリック)」を再確認いただけますと幸いです。
ご連絡ありがとうございます!コメントの件に関して2点返答します。①検証方法が旧版のため、改めて新規の方法で検証し直します。ただ、ズレがあるとしても多少のレベルだとは思います。②お手元のQ2の挽き目の目安は、何かを基準として定めたものでしょうか?私はDittingの挽き目「8」を基準に決めているため、h2so4さんの基準とする挽き目のレベルに乖離がある可能性があります。
挽き目の再検証については、各ミルで追々行うつもりでしたので、今回リクエストとして新バージョンの方法で検証いたします。今週中を目安に記事を更新しますね!
早速の確認と返信をありがとうございます!
私の挽き目の確認方法なのですが、お恥ずかしながら、カルディで中挽したものとQ2で挽いたものを目視で比べております。
ふるい等を使っていないので、正確性に欠けることは承知しているのですが手元のQ2「21(63クリック)」と目視レベルでも明らかに違いがあるため、手元のQ2の品質を疑っている次第です。
記事を更新される予定とのこと、楽しみにしております!!
こんにちは!Q2の件、コチラで再検証しました→
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