あなたは今、どんなコーヒーミルを買いたいですか?
最近各社からコーヒーミルが次々登場して、何が何だかやで
しかも電動ミルなら2万円を超えるものも多く、気軽には買えません。
今回はそんな電動ミルの中でも「面白そう!」と感じたものを購入しました
Coresコーングラインダー「C330」
コーンってなんぞ?
その名前の通り、三角コーンのような形状の内刃が特徴的な刃の仕様を指します。
この内刃はコニカル(円錐)刃と呼ばれ、最近のミルではよく目にする刃です。
そのコーン式ミルの中でも、C330は他のミルとは少し違った特徴があります!
今回はそんなC330にしかない魅力を、検証を通してご紹介していきます。
Cores(コレス)とは?
Coresは「株式会社大石アンドアソシエイツ」の自社ブランドです。
どんな会社なん?
1997年に東京で設立した家電・生活雑貨を取り扱う会社だそうです
2000年以降はイギリスで有名な家電ブランド「RussellHobbs(ラッセルホブス)」の販売代理店をしています。
ラッセルホブスは現代の電気ケトルの生みの親と言われており、1955年に世界で初めてオートオフ機能を備えたケトルを開発。
そして2000年当初、日本では馴染みのない電気ケトルの流通に乗り出したのが「大石アンドアソシエイツ」でした。
その「大石アンドアソシエイツ」が2013年に生み出したコーヒーツールブランドが「Cores」なのね〜
主力のゴールドフィルターを始め、現在ではグラインダーやマグカップなどの開発にも精を出しています。
Coresの理論に基づいた商品設計がされており、買い手も目的に応じた購入判断がしやすいです。
今回紹介する電動ミルも、Coresならではの面白さがありますよ
Cores「C330」の特徴
【基本情報】
▪︎名称:Coresコーングラインダー「C330」
▪︎容量:(ホッパー)240g (コンテナ)130g
▪︎重量:2.5kg
▪︎高さ:34.5cm
▪︎横幅:12cm
▪︎奥行:23.0cm
▪︎ミル刃:ステンレス製(コーン式)
▪︎挽き目:42段階(実測値)
▪︎駆動音:92~95dB(グラインド時)
▪︎生産国:中国
▪︎特殊機能:オートオフ機能(タイマー式)
▪︎ケーブル長:1.3m
刃の位置が独特
C330の大きな特徴が、直下式と呼ばれる刃の配置方法です。
近い値段帯の電動ミルは、豆の投入直後に刃と接触して粉になった状態で排出口に向かって進みます。
それだと、ミルの中に粉が残って酸化するんですよね
C330は刃と排出口が一体化しているため、挽いた直後に粉受けにそのまま落ちます。
イメージとしてはハンドミルに近いかもな
この構造のおかげで、以下のようなメリットがあります。
- ミル内部の粉残りが無い
- 粉が飛び散りにくい
- 適度な静電気で薄皮が自動除去できる
排出口には粉のようなものが付きますが、多くは薄皮(チャフ)と微粉です。
チャフは雑味の原因になると言われるので、勝手に引っ付くのは嬉しいですね!
パーツがシンプルで整備しやすい
C330は各パーツがシンプルで、他のミルと比べて整備性に優れています。
カリタ電動ミルのように分解・清掃に経験を要するミルもあるので、掃除のしやすさは極めて重要。
ホッパーや刃をユニット化しているため、技術も不要で清掃手順も単純化できます。
ホッパーを取り付け
グラインドユニットを装着。
特に刃を内蔵したグラインドユニットは取付・取外しも楽。気軽に掃除が出来ます。
排出口と刃を同時に清掃できるねんな!
その代わり刃を直接掃除できないので、基本はブロワーとブラシで掃除します。
刃の汚れが気になる場合は専用のクリーナーがオススメ!
写真のグラインズという錠剤は直接刃を掃除できないミルには有効で、C330の清掃に役立ちます。
粉がミル内に残りにくい特性との相性も良く、後処理が簡単ですね
受け皿が外せる
C330は粉受けの下の皿が外れます。
電動グラインダーはどうしても静電気が発生するから、使用後に粉が落ちるんよな
静電気を除去できるネクストGでも、カッター内に残った粉が落ちてきますからね
受け皿が外せるだけで粉を簡単に除去でき、掃除の一手間が省けます。
特にC330はグラインドユニットを外して清掃できるため、受け皿と非常に好相性。
なので、掃除する場合は以下の手順がオススメです。
- グラインドユニットを外す
- 受け皿を外す
この手順だけで、毎回綺麗な状態でコーヒーを挽けます。
掃除してると、電動ミルにどんだけ粉が溜まりやすいかわかるで
大容量のコンテナ
Coresは約130gものコーヒー粉が入るコンテナが付いています。
そんな大量に家庭用で挽く?
実際我が家は一度に30~40g程度しか挽かないので、出番は少なめです。
ゴム製キャップの汚れが目立つし、コーヒー粉が取れにくいのも気になるね〜
コーヒーを振る舞う場合や、コンテナを頻繁に水洗いしたい方にはオススメです。
それ以外の場合は、高さ8cm以内の陶器・ガラス製のカップで代用できます。
モロゾフのプリングラスとか丁度いい!
他にも、カリタのような背の低いドリッパーであれば直接粉を入れれます。
タイマー式のオートオフ機能
C330は10秒単位で自動停止する機能を備えています。
豆1つ分で10秒。最大50秒まで設定可能。
でもこの機能って何のためにあるん?
そんな疑問をお持ちの方のために、考えられるメリットをまとめました。
▪︎グラインド中に場を離れられる
▪︎(同じ豆を使う場合)定量化できる
オートオフのおかげで、グラインド終了後に「電源を切る」という作業が不要です。
モーターの過熱を気にしなくて良いため、他の作業を邪魔しないのもストレスが少なくて良いですね
挽き目を変えやすい
C330はダイヤルを軽い力で動かせるため、直感的に挽き目を変更しやすいです。
ただし、ダイヤルの数値とダイヤルノブが留まる位置に多少ズレが発生します。
何故かダイヤルが「10」に到達しない・・・
再現性を上げたい場合はクリック音(「カチッ」という音)を確認し、現在の挽き目を把握してください。
製品説明では「無段階」と記載されていますが、全部で42段階あることが確認できました。
この後の挽き目検証では、クリック数で記載します!
パーツが交換可能
C330は以下のパーツを交換することができるため、長期的な使用も視野に入れて使うことができます。
- 受け皿
- ホッパー
- コンテナ
- グラインドユニット
特にグラインドユニットが交換できる点が嬉しいな!
ミルによっては内刃だけ交換できたり、刃の交換が面倒な場合も多いですからね
C330はユニット付け替えるだけで簡単に切れ味を取り戻せるので、電動ミルの中では手軽で長く使える仕様といえます。
Cores「C330」の口コミ・評判
- 電動ミルの中では値段がお手頃
- 掃除がしやすい
- 挽き目が均一で安定している
口コミでは粒度の均一性や清掃面について高評価な印象でした。
「挽き目の範囲が狭い」という意見もあるため、ミルのコンセプトからハンドドリップに特化させていると推測できます。
検証で粒度の範囲について詳しく紹介するので、ご確認ください
Cores「C330」検証
挽き目・粒度の検証
商品説明では「極細~粗挽きまで無段階設定」と記載されていますが、果たして本当なのか気になります。
というのも「極細挽き対応=エスプレッソが作れる」ではないことがあるからです。
挽き目の定義が曖昧ゆえに発生する問題ですね
口コミの挽き目の範囲についても言及があるため、今回は以下の検証を行います。
- エスプレッソ(極細)挽きは可能?
- 粗挽きはどこまで実用的?
- 中挽きはどのあたり?
①エスプレッソ(極細)挽きは可能?
C330の挽き目「1(0クリック)」で10g挽いた際の粒度を検証すると、下記の数値が得られました。
▪︎701μm以上 :1.8g
▪︎601~700μm:2.9g
▪︎600μm以下 :5.0g
(※検証の過程で多少ロスが発生します)
結論から言うと、家庭用エスプレッソメーカーでギリギリ抽出できる粒度です。
701μm以上が全体の20%近くあるから正直厳しいな
試しに家庭用のマシンで下記の条件で抽出します。
▪︎豆量:20g
▪︎圧力:9~10気圧
▪︎バスケットサイズ:46mm
▪︎抽出目標時間:45秒
粒度分布の通り、丁度45秒程度で抽出が完了しました。
49mmポルタフィルターやと結構キツイやろな
業務用水準の58mmポルタフィルターに対応できないため、C330でエスプレッソ抽出は難しいと言えます。
個人的には、マキネッタ等の用途で使用をオススメします!
②粗挽きはどこまで実用的?
粗挽きの目安としてJPpro「125」と比較して、どこまでが実用的か検証します。
C330は最大の挽き目「10」でもJPproのような粒度にはなりませんでした。
調節段階は多いですが、フレンチプレスのような粗挽きを調整するには少し幅が狭いかもしれません。
③中挽きはどのあたり?
中挽きの定義は様々ですが、当サイトはカルディの挽き目「8」を基準にします。
入手しやすくチェーン系列の中で一番粒度が均一なため、中挽きの基準として参考にしやすいです。
C330の場合は「5(19クリック)」か「20クリック」が妥当な範囲でした。
21クリック以降は、最大粒径が0.5g以上増えてしまうので没。
微分量検証
C330の微粉量を確認するため、以下の方法で検証しました。
▪︎豆を20gをグラインド
▪︎500~1400μmの篩(ふるい)にかける
上記の条件で粒度を検証した結果、以下のようになりました。
【C330「5(19クリック)」】
▪︎1401μm以上:2.0g
▪︎1101~1400μm:4.8g
▪︎801~1101μm:5.7g
▪︎501~800μm:5.0g
▪︎500μm以下 :2.4g
【C330「20クリック」】
▪︎1401μm以上:2.3g
▪︎1101~1400μm:5.2g
▪︎801~1101μm:5.6g
▪︎501~800μm:4.1g
▪︎500μm以下 :2.9g
粒度分布はタイムモア「slim plus」と近いですが、500μm以下の微分量が少し多め。
比較してみると平均的な粒度分布といえますね
グラインド速度比較検証
C330で豆を30gグラインドしたところ、22秒で挽き切る事ができました。
【グラインド速度比較】
▪︎C330 :22秒
▪︎ネクストG:42秒
▪︎ボンマック:14秒
▪︎Grinder Go:56秒
▪︎ナイスカットG:22秒
スピードはナイスカットGと同等なので、電動ミルの中では早い方です。
製品説明では低速回転って書いてたけど、思ったより早いな
静音性比較検証
騒音計を用いて、豆を挽いた時の騒音レベルを比較しました。
【騒音の目安】
▪︎50db:静かな事務所
▪︎60db:普通の会話
▪︎70db:掃除機・電話のベル
▪︎80db:地下鉄の車内・セミの鳴き声
▪︎90db:犬の鳴き声・大声
▪︎100db:電車が通るガードの下
人間は通常、80db以上をうるさいと感じるそうです。
C330の音はどうなのかを計測した結果、動画のような結果となりました。
主に94~95db付近で数値が前後しています。
そこそこ大きな音なので、マンション住まいの方なら夜中の使用は非推奨。
排出口付近でグラインドするので、音の発生ポイントが他のミルと違うことが要因ですね
振動音も大きいため、仮に使用する場合は敷物を敷いて対策する必要があります。
Cores「C330」の評価
メリット
▪︎清掃・部品交換が簡単
▪︎初心者でも扱いやすい
▪︎グラインドスピードが早い
C330は電動ミルの中でも、初心者に優しい構造と性能が印象的。
刃の清掃などの面倒な部分を、ユニットという形で解決している点が他のミルとの大きな違いです。
誰でも扱える手軽さがあり安全性も高いため、ご家族の居る家庭で安心して使えますね
デメリット・気になる点
▪︎音・振動が大きい
▪︎ユニットの清掃を怠ると粉が詰まる
▪︎コンテナのキャップが汚れやすい
C330の構造上、グラインド音が非常に気になります。
集合住宅では時間帯に配慮する必要がありますね
また、グラインドユニットはマメに清掃しやすい分サボると粉が詰まります。
ユニット自体の構造が複雑なので、ブラシが入りにくい隙間に微粉が溜まりやすい。
C330はブロワーを使う機会が多いので、持っていない方は購入した方がいいかもしれません。
Cores「C330」をオススメしたい人
▪︎ハンドドリップをメインにしたい
▪︎初めて電動ミルを買う
▪︎コーヒーの消費量が多い
▪︎安全性の高いミルが欲しい
C330はコーヒー豆を1日に多く使う方と相性が良いです。
粒度レンジも中挽き寄りなので、ハンドドリップやコーヒーメーカーを中心に考える場合に採用できます。
夏ならアイスコーヒー用にも便利やな
Cores「C330」のレビューまとめ
C330は細挽き~中粗挽きが得意で、ユーザビリティの高い電動ミルということがわかりました。
粒度のレンジが広いと逆に調整が難しくなるから丁度ええわ
操作性と性能が揃っているため、電動ミルの入門から長く使える点がC330の魅力です。
というわけで今回の検証は以上です。
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡下さい。
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コメント
コメント一覧 (2件)
ハンドドリップメインに使用しています。挽き目の参考になりました。ありがとうございます♪
刃の清掃ですが、L字型の歯間ブラシを使っており、通常のブラシが届かない裏まで綺麗になって便利です。
コメントありがとうございます!
歯ブラシ系は結構役立ちますよね^_^
歯ブラシ特集も面白いかも…