世界最高峰のミルといえばコマンダンテ。
値段は3~4万円と高額ですが、世界的に人気が高く2021年10月現在も国内で入手困難な状況です。
誰に聞いても最高の手挽きミルと言えばコマンダンテの名前が挙がります。
でも、コマンダンテは8年近く前のミルやろ?他にもええヤツ出てるんちゃう?
例えば2021年発売の「JPpro」は堅牢なボディと革新的なダイヤル、良好な切れ味を持ちます。
このようなミルがコマンダンテの後発品として登場し始めているのです。
中にはコマンダンテの粒度分布を研究して刃を自社開発する企業も出現。世界最高峰の地位が徐々に狙われています。
今回はそんなコマンダンテ「C40」と1Zpresso「JPpro」の違いや特徴に焦点を当てて比較検証します。
実際の価格はコマンダンテよりも上なんやな!
早速、どんな違いがあるのか確認していきましょう。
JPproが優れている点
グラインド速度が速い
JPproは手挽きミルの中で最速の部類です。
噛み込む範囲が広く豆が跳ねにくいため、挽き残しもなくスムーズにグラインドができます。
結果的にコマンダンテの倍の早さで挽き切ることができるんやな
また、粉の排出が早いという事は以下のメリットがあります。
▪︎摩擦熱が発生しにくい
▪︎静電気が発生しにくい
▪︎微粉発生を最小限にできる
構想はコマンダンテに近いですが、より粉の排出速度を特化させた印象を感じます。
作りが堅牢
JPproはコマンダンテに比べて、非常にしっかりとした作りになっています。
特に差を感じるのは以下の点!
▪︎ハンドルと軸の接続部がガタつかない
▪︎ほぼ全て金属性
▪︎軸の太さが倍以上ある
性能云々というよりは、しっかりと作られている事による安心感が大きいですね
優れた刃の構造
JPproは以下3点の優れた構造を持ちます。
▪︎本体と外刃が一体化している
▪︎軸と内刃が一体化している
▪︎3つのベアリングで軸を固定している
これにより軸ブレが一切なく、あらゆる挽き目で高い精度を実現しました。
ここまで拘った構造のミルは、JPpro以外には無いのではないでしょうか。
挽き目調整が簡単
JPproは外から挽き目調整ができる上、ダイヤルの文字盤も一目で確認しやすいです。
逆にコマンダンテは文字盤がなく、挽き目調整の度に原点まで戻さなくてはいけません。
たまに数え間違えるんよな・・・
JPproは即座に挽き目変更できるため、豆毎に挽き目を変えたい人に嬉しい仕様です。
120段階の粒度調節が可能
JPproは粒子径0.022mmという超絶微細な挽き目調整が可能です。
最早家庭用としてはやり過ぎの領域やで
一定のレシピで「あと少し香りを出したい」「クリアにしたい」などの要望を挽き目レベルで調整できるのが大きなメリットです。
手で持ちやすく疲れにくい
JPproは手挽きミルの中で中~大型の部類ですが、以下4つの理由から挽きやすさに優れています。
▪︎スリムで握りやすい
▪︎重心に偏りがなく振り回されない
▪︎標準で滑り止め加工されている
▪︎グラインド終了までが速い
特にグラインド時間が短いとストレスがなく、結果的に手挽きミルで最も腕が疲れにくいと思いました。
細部まで分解できる
JPproは、ほとんどのステンレスミルができない領域まで気軽に分解可能です。
通常の手挽きミルの場合、外刃はネジ等でガチガチに固定されています。
基本的に分解できないようにしているんですね
外刃の固定位置がズレると、刃の接触や挽き目が狂うリスクがあるからです。
そのため掃除の際は外刃を外さず、細いブラシなどを使うことになります。
どうしても刃の奥側とか粉残ったり気になるんよな
そんな問題点を解決したのがJPproの構造。
外刃が本体と一体化しており、個別に分離することが可能です。
せっかく清掃するなら、隅々まで綺麗にしたいな
そんな方には、JPproはとても相性のいいミルといえます。
コマンダンテの優れている点
軽い力で挽きやすい
コマンダンテはJPproに比べると挽き心地が軽いです。
JPproに比べて豆を噛み込む量が少なく、一つ一つ丁寧にカットしています。
女性でもコツを掴めば挽きやすく、サクサク切れる感触がクセになるで!
意匠性に優れた天然木ボディ
コマンダンテは天然木を使用したボディで、木の感触が好きな人にピッタリです。
木を多く使用したミルで性能が伴っているものは珍しく、コマンダンテだけの特徴といえます。
木を使用しているので、グラインドの音の響きも心地良いですね!
バリエーションが多い
コマンダンテはカラーバリエーションが10種類あり、選択の幅が広いです。
↓例えばこんな色↓
人気色はすぐ完売するため、欲しい色がある時は輸入会社に入荷確認を行う必要があります。
Amazonでは現在6種類販売されているので、一度チェックしてみて下さい。
分解・組み立てが簡単
コマンダンテは高級ミルの中でも、分解・組み立てが非常に楽な部類です。
パーツ数が少なく構造もシンプルなため、掃除も手早く済みます。
逆にJPproは堅牢な構造なんですが、組み立てにコツが必要です。
外刃もキツく締め過ぎると分解に苦戦するので注意ですね
メンテナンスは楽な方がええな!
豆の風味を引き出す刃
コマンダンテはコーヒー豆の酸味を損なわずクリアな風味を実現できます。
数値検証は難しいですが、特に浅煎りスペシャルティーでの風味変化は顕著!
粒度分布、抽出条件を揃えてもコマンダンテの風味はJPproと大きく異なります。
コマンダンテの味比較については、下記の動画一覧をチェック頂けるとわかりやすいです。
豆を切断した際の断面の影響なのか、この辺りは推測の域やな
「JPpro」「C40」粒度比較検証
今回の検証では、以下3種のミルで中挽き・粗挽きの微粉量を検証します。
▪︎タイムモア :C2
▪︎コマンダンテ:C40
▪︎1Zpresso:JPpro
2種だと差がわかり辛いので、低価格帯で優秀なC2を比較対象として追加しました。
↓C2の詳しい性能はコチラ↓
中挽き
検証の結果、JPproもコマンダンテも手挽きミルの中では微粉量が少なく均一な挽き目である事が判明しています。
粗挽き
情報によると、コマンダンテの粗挽きは「バラつきが出る」「他より精度が高い」の2つの意見があることを知りました。
この点を明確にするため、JPproの粗挽き限度「125」に最大粒径を合わせて挽き目の基準を作りました。
▪︎C2:31
▪︎JPpro:125
▪︎コマンダンテ:40
上記の挽き目で、中挽きの検証内容に「#8」のメッシュを追加し、微分量に大きな差が出るかを測定しました。
コマンダンテの40クリック目における粒度分布は、他の手挽きミルと遜色ありませんでした。
つまり数値上、粗挽きでの使用に何ら問題ありません。
粒径も極端に粗いものはなく、挽き目精度も高いといえます。
グラインド速度検証
各ミルで豆20gを挽き、回転数と時間を検証しました。
TIMEMORE「栗子C2」
【C2「22」】
▪︎時間 :44秒
▪︎回転数:約70回転
低価格帯のミルの中でもC2はしっかり豆を噛み込み、非常に早いグラインド速度を実現しています。
豆の硬さを素直に感じる挽き心地ですが、同じ価格帯のミルの中では破格の挽きやすさです。
1Zpresso「JPpro」
【JPpro「83」】
▪︎時間 :31秒
▪︎回転数:約65回転
手挽きミル界隈で最速のJPproは、どんな挽き目もあっという間に挽き終わります。
豆を多く噛み込むため硬い豆は苦手ですが、中煎り以降の豆なら無類の強さですね
COMANDANTE「C40 MK4」
【コマンダンテ「32」】
▪︎1分1秒
▪︎120回転
コマンダンテは豆が噛み込まれにくく跳ねやすい構造のため、後半はゆっくり角度を変えながら回すと効率が上がります。
その分ハンドルは軽いので、音とサクサク感を楽しみながら挽けるよ〜
「JPpro」「C40」比較検証まとめ
双方のメリットをまとめると以下の通り。
【「JPpro」のメリット】
▪︎手挽きミルの中で最速
▪︎徹底したメンテナンスが可能
▪︎状況に合わせた挽き目調整が可能
【コマンダンテ 「C40」のメリット】
▪︎初心者でも扱いやすい構造
▪︎スペシャルティーの良さを引き出せる
▪︎天然木独特の良さを楽しめる
どちらも軽くはないため、外出先より家庭向きです。
JPproはグラインドが速く使い勝手が良いので、イベントやパーティーなど効率を求める方に向きです。
一方コマンダンテはフレーバーの良さを感じられるため、家族や友人に特別なコーヒーを楽しんで貰う事ができます。
木の質感や音など、金属主体のミルにない独自の良さも面白いですね
明らかな違いが出たから、これはみんなに知って欲しいな!
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡下さい。
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