Mahlkonigという会社をご存知でしょうか?
日本では以下のように発音されています。
- マールクーニック
- マルコニック
- マルケニッヒ
80年以上の歴史を持つ、ドイツのグラインダーメーカーです。
同社製品の中でも、EK43は最も知られていますね
スペシャルティコーヒーを扱う店の多くが、EK43を使用しています。
世界大会の公式グラインダーとしても使用されているレベルやな
それほどまで、高い信頼性を誇るメーカーです。
そんなMahlkonigから、なんと家庭用グラインダーが登場したんですよ!
その名もX54 home grinder
70段階の挽き目調整ができる万能グラインダーとのこと。
公式でもフレンチプレスができると書いてるな
でも、どう見てもエスプレッソ用な気がしますね‥
どこまでの範囲が挽けるのかも含めて、X54の性能をチェックします。
挽き目の目安・分布検証
同一の豆を用いて、最小粒度とそれぞれの抽出方法に適した挽き目を検証します。
極細挽き・細挽き
- 豆量:10g
- 目開き:400/500/600/700μm
X54はダイヤル1まで使用可能です。
分布をチェックするとこんな感じ
1段階毎の粒度差が小さく、細かい粒度調整に優れています。
エスプレッソ抽出に最適な性能やな
どの程度調整が利くか、後程チェックしてみましょう。
中挽き
【2023年2月追記】中挽きに関して最新の方法で再検証しました
- 豆量:20g
- 目開き:500/800/1100/1400μm
X54のドリップ推奨粒度は「15~25」なので確認してみると‥
25でようやく中挽き程度になっています。
じゃあ25以降はどうなってるんや?
結果、X54は最大の「35」でも当サイトの目安に達しませんでした。
最大粒径にほぼ変化が見られず、細かい粒度だけ変動していますね
微調整が利くお陰なのか、挽き目毎の粒度差も小さいな
ですが、分布は800~1400μmにかけて全体の57%あります。
多くの電動ミルが55%を切る中で、この精度自体は素晴らしいです。
中挽きが大得意なみるっこで60%超えって感じやな
極細挽きができて、中挽きの均一性も高いって事ですね!
粗挽き
- 豆量:10g
- 目開き:800/1100/1400/1600μm
上記概要を踏まえてJPproの挽き目「125」と比較し、どの程度粗挽きに対応できるか確認します。
- 1601μm~:3.3g
- 1401~1600μm:2.2g
中挽検証で確認したように、X54の挽き目は細挽き寄りです。
一応粗挽きの粒度分布でチェックするとこのような結果に・・・
箸にも棒にもって感じやな
フレンチプレス対応とありましたが、粗挽きはできません。
Mahlkonigの挽き目の考え方が細めなのかもですね
微粉量検証
- 豆量:20g
- 目開き:400μm
- スクリーニング時間:3分
当サイトでは、400μm以下を微粉として扱います。
400μmとは、ターキッシュ(トルコ式)コーヒーに使用される超極細の粒度です。
小麦粉よりも少し大きめの細さやで
お湯に溶かすとこのようにドロ状になります。
上記を踏まえてX54の中挽きの性能をチェックしましょう。
粗挽きはできないから、最大の「35」で計測しよ〜
中挽きにおける微粉量は2.0gとなりました。
これは手挽きミルのC2に並びます。
最大粒径が他の比較対象より小さい点も考慮したいですね
分布は違うものの、コマンダンテやJPproに比肩するかもな
電動で手挽きに並ぶのは、相当精度が高いと言えるでしょう。
エスプレッソ抽出検証
▪︎粉量:16g
▪︎圧力:9気圧以上
▪︎抽出時間:20秒以上を目標
▪︎タンピング圧:10~15kg
▪︎バスケットサイズ:57mm
検証で使用するのはascaso「dream」です。
フィルターサイズが業務用に近く、本格的なエスプレッソが抽出できます。
家庭用の中でもオシャレかつハイレベルな抽出が可能やで
もちろん抽出にはそれなりのグラインダーが必要です。
圧力がかかっていないと、15秒以内に抽出が終わります。
逆にdreamで抽出できたら、大抵の家庭用マシンでもいけちゃいますね〜
検証したところ挽き目「4.5」で20秒になりました。
量を調整すれば10段階程度は楽しめそうですね
検証結果まとめ
X54は挽き目の範囲こそ狭いものの、精度が高いことがわかりました。
さすがmahlkonigやな
エスプレッソ向きにしては調整も楽で、使い勝手も優れています。
ちょうどこんなマシンが欲しかったので、買って正解でしたね
購入は原則代理店経由になりますが、高い所は15万円程度になります。
【2023年2月3日追記】ついに楽天にて入手可能となりました。
金額も販売当初より断然安くなってるから、悩ましいな・・・
X54の関連動画
記事よりも一足先に検証結果を公開中やで!
動画の内容
▪︎粒度分布
▪︎微粉量
▪︎エスプレッソ検証
▪︎静音性検証
▪︎グラインド速度検証
コメント
コメント一覧 (7件)
こんにちは。
いつも楽しく拝見させていただいております。
忖度なしの比較サイトは少ないので本当に有難いです。
さて、今回お願いがあるのですが、個人的には家庭用コーヒーミル(カット刃)のNO.1はカリタのクリーンカットミルだと思っています。
区分けとしてはガチの業務用枠のミルですが、価格はみるっこと同等ですので金銭的負担は許容範囲かと思いますし、特に耐久性はおそらく文字通りの一生物。
縦に大きいミルですので部屋でも意外と場所は取りませんし、デザインはグッドデザイン賞受賞でお墨付き。
空転時のモーター音は非常に静かで、挽くスピードも激早なのでこの点でも隣家に優しい家庭向き。
カット刃サイズは71mmもありますので非常に均一な挽き目、微分も少ない。
さらにみるっこと違って即納状態。
このように推しポイントだらけなのですが、悲しいことに比較ブログでもYouTubeでも情報が全くありませんので、是非こまめ家さんでわたしの推しミル、クリーンカットミルを取り上げていただけないでしょうか?
こんなに素晴らしいミルが知られていないのは本当にもったいないと思います。
どうぞご検討よろしくお願いします!
いつもありがとうございます^^
クリーンカット懐かしいですね!お店で働いていた時代に豆販売用で使っていました。
確かに、10万円に満たないのにやたらと高性能だった記憶があります。
重量が割とあった気がするので、来年初旬になりますがラボ開設の際に導入させて頂く形でもいいでしょうか?
お返事ありがとうございます。
そうなんです、ポテンシャル高いんです。
ラボの開設とクリーンカットミルの検証、楽しみにしています^_^
本記事とは離れてしまうが、同じくクリーンカットミルは気になる…。2019年?あたりにカット刃の形状がアップデートされていて、形状的にも下手したら第二のEK43になり得るのでは?とか思ってたりするんだけど…。
あちらも店舗に置いてある大量豆挽き用グラインダーだし。
初めまして!
X54の購入を検討し調べていたところ、こまめさんのブログに辿り着きました!なかなか検証している情報に辿り着かず、本当に今回嬉しく、とても丁寧で詳細な内容にこまめさんが大好きになりましたw
SNSも色々とフォローさせていただきました!
今回お聞きしたいのが、私自身現在、ドリップ用に「みるっこ」エスプレッソ用に「ブレビル」を使っています。諸事情でグラインダーを一本化しようと思い(皆さん考え皆さん諦める案件(涙))、X54はどうかと検討しておりました。
現在みるっこで粗めの目盛り「8」をドリップ時はメインで使っているのですが、X54で同等の挽き目は可能でしょうか???
お忙しいところ大変申し訳ございませんが、ご回答頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします!
ありがとうございます!フォローは先程していただきましたか?一応フォローバックしたつもりですが、もしできていなければSNSの方でもメッセージ頂けますと幸いです^_^
本題の件ですが、みるっこの「8」に対してX54では目指す粒度に達しません(T . T)
電動で全て一本化できるとすれば、更に上位のクラス(20万相当)かlagom mini(これから検証予定です)が期待できるかもしれません。
海外では全対応できるミルはいくつかあるのですが、電気の規格が違うため変圧でお金がかかり面倒なんですよね‥_(:3 」∠)_
lagom miniは近く更新予定なので、気長にお待ち頂けたら嬉しいです!(更新頑張ります)
そうです!フォローありがとうございます!
そちらで返信させていただきます!