電動コーヒーミル・グラインダーと聞くと何を思い浮かべますか?
僕はコーヒー屋時代から長らくお世話になってるボンマックが良きパートナーです。
コーヒーにハマるといずれは欲しくなる電動ミル。
その電動ミルも、最近大きな変化を遂げていることをご存知でしょうか?
それがコードレス電動コーヒーミル。
ハンディサイズでありながらボタン1つでどこでもコーヒー豆を挽く事ができます。
そんなコードレス電動ミルに今まで無かった最高の器具が登場しました。
TIME MORE「Grinder Go」
タイムモアから初の電動グラインダーの登場です
タイムモアは手引きミルやスケールなど、安価で優秀な器具を開発しています。
↓タイムモア製品をチェックする↓
当製品はタイムモアとLAVIDAというコーヒーメーカーの共同開発で誕生しました。
タイムモアの新製品「Grinder Go」は一体どんな性能なんでしょうか?
特徴を紹介しながら、その性能について検証していきます。
製造メーカーについて
TIME MOREとは?
Grinder Goの核となるミル刃はTIME MOREというメーカーが製造しています。
中国製と聞くと身構えるかもしれませんが、最近は様々な有名メーカーが製造委託してるのは中国です。
「やっぱり日本の商品は品質が良い」と思っているその商品は、中国で製造・組み立てされた商品かもしれません。
さらに中国はコーヒー需要が加速し、スタバに対抗する店が出現するなどコーヒーに力を入れています。
そんな国から生まれたタイムモア製品は、上海のスタバで扱われるほど品質を認められています。
グラインダーの性能が知れ渡り、更に躍進中のタイムモアから目が離せませんね
LAVIDAとは?
LAVIDAは2016年に中国で設立された「suineng Electronic Technology Co.,Ltd」が開発した電動ポータブルコーヒーメーカーのブランドです。
日本では輸入関連企業が数社クラウドファンディングし、達成率300%を出したケースもあります。
比較的新しい企業ですが、海外サイトでは口コミも良く期待できますね!
TIME MORE「Grinder Go」の特徴
【Grinder Goの基本情報】
・容量:60g
・重量:662.9g
・高さ:22cm
・直径:8.6cm
・電源:USB充電方式(TYPE-C)
・挽き目:14段階
・自動停止:有り(空挽きから10秒後)
・充電時間:最大3時間
・稼働時間:600g相当(フル充電時)
大きさ・重量共に500mlペットボトル1.2本分に相当します。
案外軽いんやな
コードレス電動グラインダーで有名なオーシャンリッチが648.2gなので、重さも妥当といえますね!
ミル刃がステンレス製
コードレス電動ミルの刃は、多くがセラミック製なのに対し「Grinder Go」はステンレス製の刃を使用しています。
ステンレス刃は加工レベルによって切れ味が悪くなったり摩耗が激しくなるため、製造には相応のコストと技術力が必要です。
1万円台のミルで「すぐ刃が削れた」という製品もあるので、材質には気を付けたいですね
「Grinder Go」の刃はタイムモアの「slim plus」などに使用されるSUS420と呼ばれる金属で作られており、以下の特徴があります。
▪︎耐摩耗性が高い
▪︎斬れ味が良い
その性質から外科器具にも使われ、まさにグラインダーにうってつけです。
その上「slim plus」などの刃と互換性があり、万が一磨耗しても刃だけ購入して交換も可能。
タイムモアは、こういった永く使えるサポートがある点が素晴らしいですね♪
挽き目の幅が広い
「Grinder Go」は「Espresso&Brewing」という刃を使用しているため、細挽き〜粗挽きまで対応できます。
手挽きミルと同じように調節ネジを左右に回して粗さを14段階まで調整可能。
時計回りに回して「これ以上回らない!」となるポイントが0になります。
ちなみに、どこまで細かく挽けるん?
オーシャンリッチと「Grinder Go」の最小の挽き目を比較すると、その差は歴然。
一応径の小さなポルタフィルターであればエスプレッソもなんとか抽出できるレベルです。
後で検証してみようや
スタイリッシュなデザイン
タイムモア製品共通の特徴と言えるのが、無駄のないシンプルなデザイン。
今回の「Grinder Go」も凹凸が一切なく、まるで茶筒のように質素な佇まいです。
その特性から無駄なスペースがなく、持ち運びを重視する方には最高の製品と言えます。
1度に60gグラインドできる
「Grinder Go」は60gものコーヒー豆を一度に挽く事ができます。
殆どのポータブルコーヒーミルは最大で30~40g程度ですが、それを大幅に上回る超大容量。
水出しコーヒー抽出には50~60g必要だから、ちょうどいい容量だね〜
静音性が高い
「Grinder Go」は数ある電動グラインダーの中でも抜群の静音性が特徴です。
グラインドの音がこもるように設計されているので、豆を挽いても不快に感じる音がしません。
具体的にどれくらい静かなん?
静音性は後程比較検証するので、ご参照下さい♪
充電ケーブルの形状が独特
typeC充電に対応していますが、基本はタイムモア純正のケーブルがお勧めです。
ケーブルの接続部が少しでも太いとしっかり挿さらず、充電できません。
逆を言えば、接続部の面積が小さいものなら何でもOK〜
ただ、急速充電には対応しておらずMacBookに使うような充電器は使用不可なのでご注意下さい。
充電しながら使用可能
一見地味ですが、Grinder Goは充電しながらも使用できるという特徴があります。
バッテリーは寿命があるから、使えば使うほど充電の減りが早くなるんよな
最終的にはスマホと同じように一瞬で切れてしまう可能性もありますね
もしそうなっても、充電しながら使えれば最終的に据え置き機としても活躍できます。
オーシャンリッチは最新型の「G2」でも充電しながらの使用はできませんでした。
寿命が切れたらデッドエンドやな・・・
電池の問題もクリアしている点でも、ある意味末長く使えますね
メンテナンスが容易
「Grinder Go」は以下2つの理由から、メンテナンスしやすいミルと言えます。
▪︎コーヒー粉が残留しにくい
▪︎分解するパーツが少ない
多くの据え置き型電動ミルは刃の中に粉が残留しやすいですが「Grinder Go」は粉の残留が少なく衛生的です。
構造がシンプルなので通常分解するとパーツはこれだけなんですよね
グラインダーのネジを外す全分解も可能ですが、外刃交換以外で分解すると刃の接触や挽き目が狂う可能性があるので推奨しません。
基本的に通常のメンテナンスでも以下の道具で十分綺麗にできます。
▪︎ブロワー
▪︎ブラシ
▪︎360°ブラシ
付属のブラシが優秀なので、追加で360°ブラシとブロワーだけ用意しておくと便利です。
↓360°ブラシをチェック↓
ブラシが入りにくい外刃はブロワーで吹くと簡単に粉を除去できます。
↓ブロワーをチェック↓
TIME MORE「Grinder Go」検証レビュー
挽き目検証
説明書によると挽き目は1~14段階で以下の用途で推奨されています。
▪︎0~5:マキネッタ
▪︎6~10:ハンドドリップ
▪︎11~14:フレンチプレス
上記を踏まえ、今回の検証では以下の内容を検証します。
①エスプレッソは可能?
②中挽きの基準はどのあたり?
確認していきましょう!
①エスプレッソは可能?
特徴でも説明した通り「Grinder Go」は細引きまで対応しています。
向いてはいないけど、頑張ればエスプレッソ作れるかも・・・
ということで、どの程度の挽き目までエスプレッソが作れるか検証しました。
検証にはFlairpressoの「pro2」という手動式のエスプレッソマシンを使用します。
↓Flairpresso「pro2」をチェックする↓
気圧計が標準で付属しているので、以下の基準で抽出できるかチェックします。
▪︎豆量:25g
▪︎気圧:8気圧以上
▪︎時間:40秒以上
この結果、基準をクリアした挽き目は「0」のみでした。
ギリギリやけど、やろうと思えばできるって感じやな
ただpro2は家庭用器具で標準的な51mmよりも径が小さいため、基本的にはエスプレッソ挽きはできないと判断した方が良さそうです。
用途としてはマキネッタが妥当ですね
②中挽きの基準はどのあたり?
中挽きの定義は様々ですが、当サイトではカルディが推奨する挽き目「8」を基準にしています。
入手しやすくチェーン系列の中で一番粒度が均一なため、中挽きの基準として参考にしやすいですね
↓カルディ挽き目「8」をチェックする↓
「Grinder Go」の場合は「9」が最も近い挽き目になりました。
この基準を元に、自分のスタイルに合わせて挽き目を調整してみてな〜
微粉量検証
今後の比較検証のために、挽き目「9」の微粉量のデータを計測します。
豆30gをグラインドし「#30・#40・#50」のふるいに1回ずつかけます。
「#30」は1インチ(2.54cm)四方に30個の穴があるという意味。
つまり#が多いほど細かくなるんやな
結果は以下の通り。
#30以上:21.8g
#30~39:3.0g
#40~49:2.0g
#50以下:3.2g
今回注目いただきたいのは「#30以上」の粉の均一度です。
とても綺麗にカットされており、目的通りの挽き目にできる精度の高さが窺えます。
ここのバラツキ具合によっても味に影響が出るので、刃の大切さがよくわかりますね
グラインド速度検証
「Grinder Go」の挽き目「9」のグラインド時間は以下の通りです。
▪︎20g:38秒
▪︎30g:56秒
▪︎60g:2分5秒
これは早いん?遅いん?
以前HARIO「スマートG」の速度検証で20gの豆を挽いた時間を記録しているので、確認しましょう。
▪︎Zpro:50秒
▪︎JPpro:30秒
▪︎Grinder Go:38秒
▪︎ポーレックス:1分37秒
▪︎オーシャンリッチ:1分26秒
▪︎スマートG(手動):2分30秒
▪︎スマートG(電動):1分15秒
他のコードレス電動ミルやハンドミルと比較しても、断然早いです。
しかもこれで60gも挽けるから、沢山の豆を挽く時は無敵やな
静音性検証
騒音計を用いて、計5種類の電動ミルで豆を挽いた時の静音性を比較しました。
騒音の目安は以下の通り。
▪︎50db:静かな事務所
▪︎60db:普通の会話
▪︎70db:掃除機・電話のベル
▪︎80db:地下鉄の車内・セミの鳴き声
▪︎90db:犬の鳴き声・大声
▪︎100db:電車が通るガードの下
人間は通常、80db以上をうるさいと感じるそうです。
電動ミルの音はどうなのかを計測した結果、動画のような結果となりました。
皆さんも実際の音を聞いて確認してみてください!
▪︎ボンマック:90~93db
▪︎Grinder Go:81~87db
▪︎デバイスタイル:87~90db
▪︎バリスタブレイン:93~96db
▪︎オーシャンリッチ:89~92db
殆どが90db周辺に対して「Grinder Go」は主に83~84db辺りで推移しています。
90db近いと、夜使うには気が引けるレベルですね
「Grinder Go」は部屋に響きにくい音で、電動グラインダーの中でも騒音ストレスの少ないグラインダーだとわかりました。
TIME MORE「Grinder Go」の評価
メリット
▪︎静音性が高い
▪︎メンテナンスが簡単
▪︎持ち運びやすい
▪︎一度に大量の豆を挽ける
▪︎グラインド速度が速い
大容量で早くて静か、どんな挽き目にも対応できる理想的な性能のポータブル電動ミルだと感じました。
特に静かな点が、家族が居たりマンションにお住いの方にとってメリットが大きいです。
グラインド中に他の準備をしたり、抽出もスムーズにできそうですね
デメリット・気になる点
▪︎見た目が少し地味
▪︎挽き目の目盛が無い
▪︎日本語の説明書が無い
可愛い見た目をお求めの方にとって「Grinder Go」は質素かもしれません。
どちらかというと堅牢で渋いデザインですよね
また「現在の挽き目が何段階なのか」については、覚えておくか一旦「0」に戻して再設定することをオススメします。
幸いにも14段階と少ないから、比較的調整は楽だね〜
「Grinder Go」をオススメしたい人
▪︎音が気になる環境に住んでいる
▪︎容量の大きいグラインダーが欲しい
▪︎外でコーヒーを振る舞いたい
▪︎コンパクトで万能な電動ミルが欲しい
タイムモア「Grinder Go」は内でも外でも活躍する万能な電動グラインダーです。
ハイクオリティな手挽きミルが電動になったようなもんやな
手挽きのように取り回し易く、電動という点が嬉しいですね
個人的にも「Grinder Go」は非常に使い易いと感じるので、値段相応の価値はあると思いました。
あなたも新しい電動グラインダーで、うちカフェを更に豊かにしてみませんか?
というわけで、検証は以上で〜す
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡下さい。
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コメント
コメント一覧 (2件)
チタンコーティングされてないみたいなので、中国展開の商品ですか?
刃はC2とかと同じっぽいですね
コメントありがとうございます!
おっしゃる通り並行輸入品のため、海外仕様の刃のままです。slim plusやnano plusに使用されている刃で、C2のワンランク上になります。
タイムモアジャパンはチタンコーティング刃と記載してるので、購入は公式からの方がお得かもしれません。
僕は刃が摩耗したタイミングでチタン刃に交換する予定です。