1Zpressoをご存知でしょうか?
2014年に台湾で創業したコーヒー器具のメーカーです。
その中でも2019年に発売したZproは、革新的な外ダイヤル方式で多くのユーザーを驚かせました。
即座に挽き目を変更できる手軽さ、精度の高さでコマンダンテと比較される事もしばしば。
今では最新型のJPproが出ているものの、コスト面でZproを選択する場合もあります。
精度に関してはJPproに並ぶレベルやで
そんなZpro、実は過去に検証しています。
2022年に精度の高い検証方法に刷新したから、Zproの性能を再検証しようって話ね〜
今回はZproの性能を、JPproと見比べながらチェックしていきましょう。
挽き目の目安・分布検証
同一の豆を用いて、最小粒度とそれぞれの抽出方法に適した挽き目を検証します。
極細挽き・細挽き
Zproの最小粒度は5クリックとなっています。
かなり細くなるけど、挽き心地は結構軽いで
検証した結果「15」~「16」あたりがエスプレッソの適正範囲に近い結果となりました。
「10」あたりはトルココーヒーに使用できるくらい細かいですね
JPproほど微調整はできませんが、それでも家庭用では十分過ぎる性能です。
後程、エスプレッソ検証でどこまで抽出適正か確認しましょう。
中挽き
検証概要
▪︎豆量:20g
▪︎目開き:500/800/1100/1400μm
中挽きの定義は様々ですが、当サイトはカルディの挽き目「8」を基準にします。
入手しやすくチェーン系列の中で一番粒度が均一なため、中挽きの基準として参考にしやすいですね
検証の結果、中挽きの基準は「39」が適しています。
JPproと非常に似通った粒度で、非常に整っている印象です。
3年以上前からこんなにも均一性の高いミルが出てたなんてビックリや
他と比較しても、1100~1400μmの粒度には大きな差があります。
この粒度差が、味にどのような影響を与えるのか気になりますね!
粗挽き
検証概要
▪︎豆量:10g
▪︎目開き:1400/1600μm
上記の概要を踏まえてJPproの挽き目「125」と比較し、どの程度粗挽きに対応できるかチェックします。
JPproの分布(挽き目「125」)
▪︎1601μm~:3.3g
▪︎1401~1600μm:2.2g
Zproの挽き目を最大の「55」にしても中粗挽きまでとなりました。
JPproと比べて、粒度の範囲が少し狭いですね
これを見ると、JPproがどれだけ進化したかよく分かるな
微粉量検証
検証内容
▪︎豆量:20g
▪︎目開き:400μm
▪︎スクリーニング時間:3分
当サイトでは、400μm以下を微粉として扱います。
400μmとは、ターキッシュ(トルコ式)コーヒーに使用される超極細の粒度です。
小麦粉よりも少し大きめの細さやで
お湯に溶かすとこのようにドロ状になります。
上記を踏まえてZproの中挽き・粗挽きの性能をチェックしましょう。
検証の結果、微粉量は平均値よりも少ない事がわかりました。
ちなみに0.1gでもこれだけ違うので、案外軽視できませんね
粗挽きこそ出来ないものの、中挽きにおける微粉量はJPproと遜色ありません。
Zproも非常に高い精度を持っている事がわかりました。
エスプレッソ抽出検証
- 機材:Francis Francis X3
- 粉量:16g
- 圧力:9気圧以上
- 抽出時間:20秒以上を目標
- タンピング圧:10~15kg
- バスケットサイズ:49mm
FrancisFrancis X3はバスケットに詰め込める粉量が16gで限界。
機材自体は優秀ですが、相応の性能を持つミルでないと抽出はできません。
検証したところ、14クリックで30秒になりました。
挽き目の予想数値よりも下回りましたね
目に見えないレベルで粒の体積にバラつきが生じている可能性あるな
挽き目で調節するよりも「14」を中心に粉の比率を調整する方がいいかもしれません。
グラインド速度比較検証
- 豆量:20g
- 挽き目:39
上記内容でZproの回転数とグラインド時間を測定します。
確認した結果45秒(98回転)という結果になりました。
回す回数は多いですが、挽き心地は非常に軽いというメリットもあります。
硬い豆もスムーズに挽けるので、JPproと違って挽き方を工夫する必要はありません。
ドリップ検証
今回は協力を得て、以下3種をブラインドで3度味比較しました。
- Zpro(1Zpresso):39クリック
- JPpro(1Zpresso):80クリック
- 栗子G1(TIME MORE):21クリック
検証した結果、明らかに違いを感じたのはJPproでした。
スモーキー・ロースト感を引き出すので、非常にわかりやすいですね
逆に、G1とZproの違いは判定が難しかったです。
強いて言うなら、Zproの方が酸は爽やかで甘味を感じやすい仕上がりでした。
味の性質で言えば、JPproとZproには明らかな違いがあると解りましたね
1Zpresso「Zpro」の評価
- 挽き目の範囲:○(極細~中粗挽き)
- 微粉量 :◎(非常に少ない)
- 挽き心地 :○(良いが滑りやすい)
- メンテナンス:△(複雑・コツが必要)
- 粉砕速度 :○(やや速い)
- 持ち歩き :△(やや重い)
Zproはエスプレッソも対応していますが、特にドリップの用途に適したミルと言えます。
1ダイヤルあたりの変動がJPproより大きく、エスプレッソで挽き目の微調整を行うのは難しいです。
回転数も多いし、どうしても腕がしんどくなるな・・・
一方JPproと違って硬い豆が挽きやすく、風味もクリアで浅煎りも問題なく対応できます。
とはいうものの、金額を鑑みると栗子Xや他の優秀なミルも目につきますね
容量も20gなので、今となっては前時代的な性能になりつつあるのが気になるところ。
他のミルの比較対象としてご検討いただけたら幸いです。
というわけで、今回の検証は以上です。
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡下さい。
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