カリタという企業をご存知ですか?
日本でトップクラスに知名度の高い、コーヒー機器総合メーカーです。
テレビドラマでも見かけるほど有名ですよね!
記憶ではドラマ「trick」で上田教授がギャグを言いながらカリタ製品を使っていたのが有名です。
独自のドリッパー「ウェーブシリーズ」から、業務用ミルとか至る所で目にするよね〜
そんなカリタの中でも屈指の人気を誇る電動ミルがあります。
Kalita「ナイスカットG」
2020年に発売されたナイスカットGは、まさにカリタの象徴。
時々品薄になったりと、ちょっと不思議な点もあるミルですよね
Amazonでも値段が時々で変わるしな
ということで今回は、そんなナイスカットGについて以下の疑問も解決しつつ性能を解説できればと思います。
▪︎値段に見合う性能なのか?
▪︎なぜ品薄なのか?
▪︎どんな用途に向いているのか?
Kalita(カリタ)とは?
カリタは1958年に東京(現在は神奈川本社)で創業したコーヒーメーカー。
個人の喫茶店が流行る頃、コーヒー器具の開発をスタートしました。
1991年に無漂白のペーパーフィルターを最初に開発した会社としても有名ですよね!
現在はウェーブドリッパーやナイスカットミルなどの名品を生み出し、強いブランド力を持ちます。
そんなカリタが2015年に発売したのが、次世代型グラインダー「ネクストG」。
静電気除去をテーマに徹底して拘られたミルで、低速・セラミックフラット刃が特徴。
そして、2017年に発売されたのがナイスカットミルの後継型「ナイスカットG」です。
旧型のナイスカットミルのマイナーチェンジモデルで、操作性やデザイン性の向上が図られました。
中身の性能は評判の高いナイスカットミルと同じと言われてるで
Kalita「ナイスカットG」の特徴
▪︎容量:50g
▪︎重量:2.3kg
▪︎高さ:約33.7cm(ホッパー込み)
▪︎幅 :12cm
▪︎奥行:21.8cm
▪︎ミル刃:ステンレス製
▪︎挽き目:15段階
▪︎生産国:日本
▪︎ケーブル長:1.8m
フラットカッター式
ミル刃の方式に以下4つがあり、ナイスカットGはフラット刃にあたります。
▪︎ブレード(プロペラ式)
▪︎フラット刃
▪︎コニカル刃
▪︎ロールグラインダー
フラット刃は、向かい合うディスク状の回転刃でコーヒー豆を粉砕するんや
またフラット刃にも2種類あり、縦•横の配置によっても性質が変わります。
横フラット刃の代表は、スタバに置かれているMahlkonigのグラインダーですね
ザ・石臼のような構造で、コーヒー豆を瞬時にきな粉・抹茶レベルまで粉々にします。
一方、家庭用で知られるフラット刃は基本縦型。
粉砕されたコーヒー粉は即座に排出されるため、刃との接触時間が短いのが特徴です。
遠心力で豆を外側に飛ばしながら粉砕するから、鋭い切れ味とモーターのパワーも必要やねん
故に、コーヒー粉の構造が角切り状になりクリーンな味になる傾向があります。
逆にコニカル刃は、豆を段階毎に粉砕するため角の取れた多面構造になるんですよね
最近は切れ味の鋭いコニカルも増えたから一概には言われへんけどな
中~粗挽きに特化した構造
ナイスカットGは中細~粗挽きに強く、プレスやプアオーバーに向いています。
一応マキネッタまでの細挽きはできますが、極細挽きはできません。
逆に細挽きに強いフラット刃のミルをご希望ならボンマックですね
クセが強く初心者向きではありませんが、家庭用エスプレッソなら余裕で作れるパワーがあります。
粒度のバランスはナイスカットGやけど、汎用性はボンマックが優れてるで
少人数向けの仕様
ナイスカットGは以下の理由から、電動ミルの中では少人数向きと言えます。
▪︎ホッパーの容量が50gまで
▪︎グラインド速度が比較的遅め
イベントなど、多くの人に素早く振る舞う場面には少し不向き。
家でゆったり楽しむのに適していますね
限定販売が多い
ナイスカットGは、ネクストGとは違って常設モデルがありません。
公式サイトでも、コラボカラーや限定カラーを出しては売り切れを繰り返しています。
復刻モデルでたまーに過去に販売していたカラーが出回ることもありますね
商売上手やでほんま
部品が出回っている
カリタ公式サイトだけでなく、ECサイトでもナイスカットGの部品がゴロゴロと販売されています。
事例は刃ですが、ネジ・粉受けなど分解できるところは全てあります。
人気故に、交換部品も安定して売れるからでしょうね
電気系統さえしっかりしていれば、末長く使えるな
ナイスカットGの評判・口コミ
▪︎挽き目が均一
▪︎クリアで雑味の無い仕上がりになる
▪︎デザインが良く手頃な大きさ
購入者の口コミを見ると、プロペラやセラミック刃から乗り換えた方が多いです。
概ね高評価で、値段に見合った満足感を得られているようですね
中にはアース線を使用して静電気対策している方も居ました。
見栄えはさておき、工夫次第で欠点を解消できるのは嬉しいな
Kalita「ナイスカットG」検証
挽き目・粒度の検証
一部ショップでは「極細挽きまで可能」と記載されていますが、大前提として極細挽きはできません。
レビューでもエスプレッソが淹れられるなど情報が飛び交っていますが、マキネッタなら作れます。
じゃあ、どんな粒度まで対応できるかが気になるな
というわけで、今回は以下の検証を行います
①細挽きはどの程度まで可能?
②粗挽きはどこまで実用的?
③中挽きはどのあたり?
①細挽きはどの程度まで可能?
ナイスカットGの挽き目「1」で10g挽いた際の粒度を検証すると、下記の数値が得られました。
▪︎701μm以上 :3.7g
▪︎601~700μm:2.5g
(※検証の過程で多少ロスが発生します)
701μm以上が全体の20%近くあると、家庭用エスプレッソの抽出は厳しいです。
ナイスカットGは40%近いから無理やな
②粗挽きはどこまで実用的?
粗挽きの目安としてJPpro「125」と比較して、どこまでが実用的か検証します。
結果、ナイスカットGは挽き目「5」か「5.5」がベストな粒度となりました。
最大粒径の範囲は広く、プレス用でも十分な性能を有してます。
ボンマックと比べると粗挽きの精度が高い事がわかりますね
③中挽きはどのあたり?
中挽きの定義は様々ですが、当サイトはカルディの挽き目「8」を基準にします。
入手しやすくチェーン系列の中で一番粒度が均一なため、中挽きの基準として参考にしやすいですね
ナイスカットGの場合は挽き目「2.5」か「3」が妥当な範囲でした。
1段階毎の幅が広いので「3.5」以上は中粗になりますね
浅煎りなど、攪拌する機会の多い豆を使用する場合は「3.5」もオススメ。
微粉量検証
ナイスカットGの微粉量を確認するため、以下の方法で検証しました。
▪︎豆を20gをグラインド
▪︎500~1400μmの篩(ふるい)にかける
上記の条件で検証した結果、以下のようになりました。
【ナイスカットG「2.5」】
▪︎1401μm以上:1.4g
▪︎1101~1400μm:5.0g
▪︎801~1101μm:5.8g
▪︎501~800μm:5.0g
▪︎500μm以下 :2.4g
【ナイスカットG「3」】
▪︎1401μm以上:2.8g
▪︎1101~1400μm:6.6g
▪︎801~1101μm:4.9g
▪︎501~800μm:3.1g
▪︎500μm以下 :2.1g
どちらの挽き目も、電動ミルの中では優秀な精度を誇ります。
ボンマックと比較すると「2.5」のバランスの良さが際立ちます。
とにかく最初は「3」で抽出し、目指す味に合わせた挽き目調整がベストですね
グラインド速度比較検証
ナイスカットGで豆を30gグラインドすると22秒で挽き切れました。
【速度比較一覧】
▪︎C330(Cores) :22秒
▪︎ネクストG(Kalita):42秒
▪︎svart nymalt(Wilfa) :17秒
▪︎BM-250N(Bonmac):14秒
▪︎ナイスカットG(Kalita):22秒
フラットカッターって早いイメージあるけど、ナイスカットGはゆっくりやねんな
ボンマックと比べて噛み込み量が少ないので、モーターのパワーが控えめかもしれませんね
静電気検証
各ミルで豆を30gグラインドした際、どの程度静電気が発生するか確認します。
- ナイスカットG(Kalita)
- BM-250N(Bonmac)
モーターの回転速度はボンマックが早く、粉が横に広がるように排出されているのがわかります。
受け皿が小さいと、粉が飛び散ったりしそうですね
ただ、静電気自体はナイスカットGもそこそこ発生しています。
掃除の手間自体は変わらん気がするな
付属のブラシと卓上箒ですぐ掃除できるので、正直そこまで気になりません。
愛用している掃除具
↓↓↓↓↓↓↓
「掃除は面倒だけど静電気が気になる」という方はネクストGがいいかもしれません。
ネクストGもチェックしてみる
↓↓↓↓↓
静音性比較検証
騒音計を用いて、豆を挽いた時の騒音レベルを比較しました。
- 50db:静かな事務所
- 60db:普通の会話
- 70db:掃除機・電話のベル
- 80db:地下鉄の車内・セミの鳴き声
- 90db:犬の鳴き声・大声
- 100db:電車が通るガードの下
人間は通常、80db以上をうるさいと感じるそうです。
ナイスカットGの音はどうなのかを計測した結果、以下の結果となりました。
- ボンマック:90~93db
- ネクストG:88〜90db
- ナイスカットG:92〜94db
- デバイスタイル:87~90db
- Cores「C330」:94〜95db
- バリスタブレイン:93~96db
グラインド速度がゆっくりな割には気になるな
モーター音自体は静かですが、挽いた際の音のギャップに驚きますね
Kalita「ナイスカットG」の評価
メリット・良い点
▪︎フラット刃ミルの中でも扱いやすい
▪︎中~粗挽きの精度に優れている
▪︎バリエーションが豊富
▪︎パーツ確保が容易
ナイスカットGは小型で使い勝手が良いため、初心者でも扱いやすい電動ミルです。
段階が少なく粒度範囲が特化してるので、用途も決めやすいですね
デメリット・気になる点
▪︎受給バランスが不安定
▪︎分解・清掃に一手間かかる
▪︎細挽きには不向き
フラット刃のミルはどれも分解に一手間必要です。
単純にネジを外して掃除するだけやけど、最後の締め付けが甘いと粒度に影響出るんよな
ネジの構造はボンマックやみるっこと比べて、10円玉等で外せる点は楽。
「ナイスカットG」をオススメしたい人
▪︎フラット刃ミルを初めて購入する
▪︎ハンドドリップやプレスがメイン
▪︎自分や家族だけで楽しみたい
2019年あたりはナイスカットミルをイベントで見かけましたが、最近はほぼ見ません。
ナイスカットはあくまで家庭用という位置付けで、ゆったりコーヒータイムを楽しむ方に向いています。
グラインド精度自体は高く、家で使うからこそ良さを発揮するんちゃうかな
Kalita「ナイスカットG」のレビューまとめ
ナイスカットGは見た目や手軽さ・精度のバランスが良いミルだと思います。
一番惜しまれるのは、安定して手に入らない事です。
公式サイトですら値段の高い限定カラーしか販売してないんか
2023年現在では割と供給が安定していますが、唐突なカラー変更もあり得るのでご注意ください。
次回の記事ではボンマック・みるっこを紹介するので、迷っていらっしゃれば是非ご確認下さい。
というわけで今回の検証は以上です。
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡下さい。
LINE登録は記事の更新通知・イベント配信の受け取りから店舗予約までできるで!
この記事が良かったと思ったら、ブックマーク・シェアもよろしくね〜
コメント
コメント一覧 (4件)
とてもよくわかりました。ありがとうございました。
デロンギ デディカ コーン式 コーヒーミル コーヒーグラインダー 極細~粗挽き 【粒度18段階設定】 KG521J-Mと迷っています。こちらについてのご意見はどうでしょうか。
コメントありがとうございます!
KG521Jは、エスプレッソの用途でお考えでしょうか?
マキネッタやドリップ用であれば、KG521Jも値段的なメリットはあるかと思います。
ただし、エスプレッソでの用途をお考えの場合はKG366Jの方が挽き目が細かいため、そちらをオススメします。
↓記事リンク貼っておきます↓
ナイスカットGは以前使っていましたが、新たにボンマックBM-250Nを買い増したところ、モーター音が違い過ぎて驚きました。BM-250Nのモーター音はとても静かで気持ち良いものでした。調べたところナイスカットGは一般的なモーター、BM-250Nはブラシレスモーターみたいです。BM-250Nは挽き目も良いですし、なにより使っていて作動音が気持ちいいのでナイスカットは次第に使わなくなりメルカリ行きとなりました。趣味のものですので気持ち良さも大事かと…。
今後は僕がメインで使っているミル3台のウチの1台である、カリタ クリーンカットミルの検証も是非お願いいたします!
コメントありがとうございます!
クリーンカットも希望度々頂くので、検討してみます!