
ディープなコーヒー器具研究室へようこそ!


今回はTIMEMOREの新型コーヒーグラインダー「Bricks01S」について、100台以上のコーヒーミルを検証するプロ目線から詳しく紹介します。


Bricks 01Sは2024年SCAJにてWhirlyと共にお披露目された電動コーヒーグラインダーです。


価格は定価35,700円(2025年6月/国内正規代理店における最安値)と、FELLOW「OPUS」に並ぶ価格となっています。





正直中身の構造は似ていますが、使い勝手の面ではBricksに軍配が上がる箇所が多いですね



見た目はOPTION-OのLagom miniに似てるけど、そういうミルが最近増えてきてるよな
Bricksも例に漏れずという印象ですが、このマシン独自の良いポイントもあるため詳しく紹介していきます。
TIMEMOREとは?


ご存知の方も多いとは思いますが、TIMEMOREという企業について簡単に紹介します。
TIMEMOREは2012年に中国で創業したコーヒー器具を専門に販売するメーカーであり、自社工場を持つ事で独自性の高い製品開発に成功しています。
そんなTIMEMOREの名を日本で有名にしたのが、今も現役で活躍するC2という手挽きミルです。


当初はステンレス刃のミル自体少ない中、高精度かつリーズナブルなC2は手挽きミルに革命を与えたと言っても過言ではありません。



今でも“手挽きミルはC2さえあれば十分“って思えるくらい完成されてるもんな



しかも独自の折りたたみハンドルを開発したり、非常にアグレッシブな発想で業界を常に牽引していますね!


今回のBricksでも、その独創性が存分に発揮されているのでチェックしてみましょう。
Bricksの基本スペック


まずはの外見的特徴やスペックをチェックしてみましょう。
- 横幅:102mm
- 奥行:150mm
- 高さ:286mm
- 重量:2.6kg
- 粉受容量:35g
- ホッパー容量:40g
- 対応電圧:100V
- 対応周波数:50/60Hz
- 消費電力:150W
- 付属品:RDTスプレー・エアブロアー・クリーニングブラシ
- 素材:アルミニウム合金・ステンレススチール・ABS・シリコン
- 保証:1年(正規輸入品に限る)
Bricksは構造の多くが金属で構成されており、3~4万円台のコーヒーミルとしては珍しく重厚な印象です。



ホッパーと内部構造の一部にプラスチックが使われてるくらいやな



ボディの印象だけでも、値段に対しての納得感を感じさせてくれますね
またコードに関して説明しておくと、標準が3ピンの仕様でやや太めとなっています。


日本の正規代理店経由であれば2ピン変換プラグも付属していますが、並行輸入品やtimemore.jpの購入品には含まれていないのでご注意ください。
Bricksの特徴について
新仕様のコニカル刃を搭載


Bricksに使用されている刃はS2C-040-Elという新仕様の刃です。
S2CはTIMEMOREを代表する刃の規格で、上部と下部で全く形状の異なる刃が一体になっている独創的な刃となります。



今回同時期に発売されたWhirly 01SもS2C-042-Elという刃を搭載してますね!





2025年で新規の刃を2種もリリースしたんか
今回の販売分も合わせると、現状タイムモアがリリースしている刃は以下の通りになります。
- S2C660(C3系列)
- S2C860(X)
- S2C880(X lite)
- S2C890(S3)
- S2C-040-El(Bricks)New
- S2C-042-El(Whirly)New
たった数年の間に、ここまで新規の刃をリリースする開発力には脱帽です。
その中でも、今回搭載されているS2C-040-Elは過去に同社が販売していたE&B刃に酷似しています。
E&B刃は、過去にSlim Plusなど〇〇Plusというシリーズに搭載されており「エスプレッソ&ブリュー」の意味を持つ刃でした。


特にこの刃を搭載したミルはグラインド速度が異常に早かったため、もし同系統の刃であればBricksのグラインド速度は速い可能性が高いです。
実際に動画で挽き目検証をしている際も、他のミルよりも明らかに速い印象を受けました。
Lagom mini2やVS3の挽き目をチェックしている動画もあるので、それぞれ比較してみてください。
全て10gずつでチェックしていますが、極細挽きも中挽きも明らかにBricksの方が早く挽き終わっています。
今回はあくまで軽いチェックなので、正式に粒度分布まで綿密に合わせてた検証は後日行う予定です。
粒度・挽き目の設定方法・目安・範囲について


Bricksはクリック式で挽き目を調節できる電動ミルです。
1目盛あたりに3クリック分の調整段階があり、計150段階の調節が可能となっています。



つまり数字から数字までの間に15段階あるって事やな!



クリック音と感触もハッキリしていて、現在がどの段階か把握しやすい点もしっかりしてますね
また本体には目安表が貼られているため、用途に応じた挽き目を瞬時に把握できます。


- エスプレッソ:0~3
- モカポット :1~4
- プアオーバー:5~8
挽き目の目安から推測できる点としては、極細~中挽きのレンジに強いミルであることがわかります。
粗挽きについては実際にチェックした感想でいうと、中粗挽き程度でした。
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微調整は得意ですが、極粗挽きなどを求める場合にはやや役不足の可能性がありますね
独自のノッカーを装備


タイムモアの素晴らしい技術の一つとして、独自機構のノッカーが挙げられます。
これはSculptorシリーズから導入された回転式のノッカーで、ただ回すだけでミル内に付着した粉を落とす事が可能です。
そもそも、この価格帯でまともなノッカーが装備されている家庭用ミルはほとんど存在しません。



やっぱりノッカーの有無だけでも取り回しの評価が劇的に変わりますよね
RDT用のスプレーがオシャレ


ミルに付属しているRDT用のスプレーは、リップクリームのように捻るとスプレーヘッドが現れる仕組みになっています。



RDTってなーに?



Ross Droplet techniqueと呼ばれるコーヒーグラインダーにおける静電気抑制の手法ですね
コーヒー豆に少量の水分を塗布することで導電性を高め、摩擦による静電気発生を抑制できます。





でも錆びたりせんのか?



ステンレスは錆びにくいというイメージがありますが、確かに錆びないとは言い切れないんですよね
ステンレスの仕組みは、主成分の鉄よりも酸化しやすいクロムが先に酸化して皮膜形成するために保護されている状態です。
つまり、皮膜に傷がつくような事象が起きるとそこから錆びるようになります。



水に濡れた状態や汚れが付着した状態が継続する場合も皮膜形成が難しくなるため注意が必要ですね



RDTする場合は使用後の掃除もセットってことやな
そんな流行りのRDTを、メーカー側も認知して製品構成に組み込んでいるケースも増えてきました。





コーヒーミルも、昔と違ってオシャレツール化してきたよな



キッチンツールとして、相応のビジュアルを求められるようになったってことですよね
粉受けの構造


粉受けは、この類のコーヒーミルであればよく見る仕様で取り回しが非常にいいです。
底面にはマグネットが仕込まれており、軽くミルに近付ければ吐出口の真下に引っ張られるように移動します。
また細口の筒状のため、ドリッパー以外の器具に粉を移す際も溢しにくいです。
分解・メンテナンス性について


Bricksの分解・清掃自体は、数ある電動ミルの中でも非常に簡単です。



分解手順はコチラの動画も参考にしてください!
ホッパーを外し、ワンタッチで外せる外刃を取り出すだけで分解は完了します。



内刃は本来外す必要がないので、無理に外さないでくださいね



でも本体に残った内刃はどうやって掃除するん?
付属のクリーニングブラシは刃の掃除には不向きなので、コンデンサーブラシを使用するのが最も効率的です。





動画では大きいブラシしか手元になかったのですが、下記のブラシセットの小さいブラシを使用すると簡単に掃除できますよ!
またBricksの付属品に非常に優秀なエアブロワーがあるので、そちらを併用することをお勧めします。


タイムモアのエアブロワーは、カメラ用ブロワーと違って先端が長く柔らかいのが特徴。
強力な割にゴムが柔らかく、手が疲れにくいという点で扱いやすいコーヒーアクセサリーと言えます。
Bricks 01S 紹介まとめ



というわけで、Bricksに関する紹介は以上です!
Bricksは、今まで登場したミルの中でもコスパ・性能のバランスが突出したミルと言えるでしょう。


3~4万円台でこの機能性を実現しているミルを作れるのは、自社で設計・製造が可能なメーカーの特権です。



電動ミルも手挽きミルも「タイムモアでいいじゃん」って時代が現実味を帯びて来たな



もはや低~中価格帯は、技術的な面で革新性の高いタイムモアに太刀打ちできないですね
皆さんはBricksについてどう感じたでしょうか?
実際に使用した感想や気になること、検証希望あればコメントお待ちしております。



使用感のレビューや検証については別の記事で公開予定やから、気になったらLINE・X・Instagramへ登録して更新情報をチェックしてや!
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