どうも!店舗をオープンしてから更にパワーアップしたこまめです!
当サイトでは定期的に粒度分布の検証を行っており、そのコーヒーミルの特性を解説しています。
また、度々粒度の検証方法に関してもアップデートを重ねてきました。
そして今回、新たに検証設備を更新しました。
詳しい機材名はお伝えできませんが、以前使用していたMVS-1Nの10倍の容量を持つ電磁ふるいを採用しています。
わざわざメーカーのショールームまで乗り込んでテストしたよな
それほどに購入のハードルが高いマシンであり、マシンのクセ・弱点の把握、それらに対するフォローの方策が整ったため購入に踏み切りました。
今回はそんな新型のふるいについて、下記の事項について詳しく解説します。
- 導入の理由
- 検証にて採用する検体情報
- 導入時に行った検証
- 粒度検証の依頼について
じゃあ、いってみよ〜!
電磁ふるい導入の理由
10倍もの大きさの電磁ふるいを購入した理由としては、今まで使用していたMVS-1Nでは困難な問題がいくつか存在したからです。
- 篩い分け可能な量が少ない
- 振動幅が小さい
- 水平回転のみである
- 時間が掛かり過ぎる
まず、今までは20gを何とか篩い分けしていました。
10gではコーヒーミル毎の差異が出づらく、篩に残留する微粉量が数値を大きく左右してしまうんですよね
できる限り検体量を増やす事が望ましいですが、篩が20φのため20g以上の篩い分けは目詰まりが酷く困難でした。
またMVS-1N自体は水平回転のみで、バイブレーターと手作業を組み合わせた篩い分けの工夫が必要です。
メーカーの人もビックリの精度やってんけど、なんせ1つの粒度出すのに1時間半掛かってたからな
あまりにも時間効率が悪く、そこが最大の難点でした。
それらの問題を一度に解決したのが今回導入した電磁篩。
多少解決すべきクセもありましたが、今までの粒度検証で培った工夫で解決済みです。
検証にて採用する検体情報
こまめ家では、検証にて使用する検体を均一にするため下記規格の焙煎豆を用いています。
- 生産国:ブラジル
- 焙煎時間:8~12分以内
- アグトロン値:62~64
- スクリーンサイズ:17~18
今までは上記規格の豆を20g用いていましたが、先にも述べた通り篩の許容量不足により精度に不安がありました。
篩の径は以前の10倍となった事で容量の問題は解決したため、新検証においては倍量の40gを用いて検証を行います。
なんで40gなん?
倍量にしたことによる数値変化を比較したいのと、豆コスト・手間を鑑みた結果ですね
手挽きミルは大抵容量が20gであり、一度の検証で2度以上挽くのは負担が大きいです。
また、20gと比較して篩に付着した微粉による数値への影響も減るメリットもあります。
それらのバランスを総合して40gという検体量に落ち着いたんだね〜
電磁篩導入時に行った検証
今回の電磁篩導入に際して下記の検証を行い、今後の検証方法についての検討材料としました。
- 焙煎豆の違いによる数値差
- 旧検証との比較
それぞれについても詳しく結果を解説します。
焙煎豆の違いによる数値差検証
旧検証においても、中挽きの基準をどこに置くかが課題となっていました。
そこで出した結論が下記の2点です。
- SCAプロトコルに準じた挽き目
- Ditting「KFA903」の挽き目〔8〕
SCAプロトコルはカッピング評価にて求められる統一規格で、唯一挽き目の基準が数値化されています。
また、全国誰でも入手できるコーヒー粉としてカルディコーヒーファームが使用するグラインダーのフィルターコーヒー用の挽き目も目安として採用しています。
Ditting社の製品自体が業務用グラインダーの中でも分布が綺麗なんだよね~
そのDittingに近い挽き目を基準値としたいですが、そもそもコーヒー豆が違う点でどの程度誤差が生まれるか確認しなくてはいけません。
こまめ家で使用する検証豆は常に同じ国、同じスクリーンサイズ、SCAプロトコルに則った焙煎度の豆を使ってるからな
という事で、本来の検証豆を使用したコマンダンテ「C40 MK4」の粒度分布と、マイルドカルディを使用した同挽き目でどれだけの差異が出るか検証しました。
結果をグラフ化すると、ほぼ変化が無い事がわかります。
数値も1~2%の変化で致命的な差異はないな
つまり豆の違いで多少の差はあるけど、近しい挽き目は出せるってことですね!
旧検証との比較
過去の検証と比較して、どの程度粒度の比率が変化したかCOMANDANTE「C40 MK4」で確認していきます。
結果はこちらの通り。
あー、全然違うな。しかも粗い方の粒度が変わるんか
検体量の少なさと篩の径の小ささが合わさり、上手く落ち切っていない事が判明しました。
粒の形状が縦長だと、自由移動できるスペースが小さくて落ちずに残る事が多々あるんですよね
検体量が少ない事で、落ちない粉の比率分の数値が大きくズレたというわけです。
だから逆に円形に近い小さい粒の方は結果が揃ってるのね~
というわけで、新方式の方が検証精度が上である事も証明できました。
粒度検証に関するまとめ
これからは新方式にて、数々のコーヒーミルを検証していきます。
でも、コーヒーミルごとの個体差はあるから絶対に同じ挽き目になるとは言い切れないね〜
なので、当施設における粒度検証をご希望の方へ下記のプランを作りました。
要は施設利用料金と同じ料金で検証依頼を承るという事です。
え?安すぎじゃね?
実際に粒度の検証依頼が可能な企業は公に料金を出している所は少なく、依頼料もそれなりの金額です。
画像分析など大手にしかないマシンはありますが、結局は検体の統一など思うようにできない事も多々あるんですよね
こまめ家はコーヒー粉に特化してるので、検体の規格統一と下記検証を踏まえた上で結果をお伝えします。
- 電磁篩による粒度測定
- 赤外線による粒度測定
上記の検証を総じて1検体につき1時間のお時間を頂きます。
調べて欲しい挽き目の範囲をご指定頂ければ、検証に必要な挽き目のみを割り出す事も可能です。
例えば「中挽き」と指定すればSCA~こまめ家基準の周辺まで割り出す感じだね~
挽き目の段階が多すぎるミルの場合は5クリック飛ばしとかで十分やしな
兎にも角にも、依頼者にとって無駄のない検証をモットーにしています。
なので、こんな方・業者様は是非ご連絡下さい!
- 自分の持つ個体について詳しく知りたい
- 販売予定のミルの特徴を確認したい
- お店に導入する機器の性能を比較したい
- 商品開発のために数値的なデータが必要
- コーヒーの事を知ってる所に依頼したい
- 検証結果がスピーディーに欲しい
こまめ家へ検証依頼を出すメリットとしては、料金の他に時間的なメリットもあります。
ご依頼を受けてすぐ検証に取り掛かれるので、検証量によっては1~2日以内に結果連絡できますよ~
というわけで、ご興味あれば下記よりDMもしくはメールをお願い致します。
今後のミルの検証も楽しみにしててな!
それではまた次回の検証でお会いしましょう。
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