1867年にドイツで創業したミルのメーカーで、手挽きミルといえば名前が挙がる老舗です。


特に1950~1960年までに職人によって作られたミルは「オールドザッセン」と呼ばれ、今でもマニアから重宝されます。
とは言いつつも、性能としては前時代的な製品です。
そこでザッセンハウスも、ベアリングを採用した手持ちミルを開発したんです。
Zassenhaus
「Barista Pro」
しかも、ボディの加工方法もローレット加工という類似性に驚きです。

というわけで、現在も問題なく販売されています。
というのも、定価がslim plusの2.5倍という驚愕のコストが重荷になっています。
それだけ強気の価格設定であるBarista Proの実力は、どれほどのものでしょうか?
挽き目の目安・分布検証
同一の豆を用いて、最小粒度とそれぞれの抽出方法に適した挽き目を検証します。
▪︎C2(TIME MORE):T.M-C2
・通常版:N
・ロイヤルブルー:RB
・シャンパンゴールド:CG
▪︎C3(TIME MORE):T.M-C2
▪︎栗子X(TIME MORE):T.M-X
▪︎slim+(TIME MORE):SLIM-P
▪︎ポーレックス:PORLEX
▪︎Barista Pro(Zassenhaus):Z,H-BP
極細挽き・細挽き
▪︎豆量:10g
▪︎目開き:600/700μm
日本語版の説明書によると、Barista Proの最小粒度は12クリックとなっています。
規定以下の挽き目にすると刃を破損するため、挽き目には十分注意してください。
ちなみに最小粒度はslim plusとほぼ同じ。
中挽き
▪︎豆量:20g
▪︎目開き:500/800/1100/1400μm
中挽きの定義は様々ですが、当サイトはカルディの挽き目「8」を基準にします。

成分が出やすいため、コーヒーの力強い風味を引き出したい時に向いた仕様だと思います。
粗挽き
▪︎豆量:10g
▪︎目開き:1400/1600μm
▪︎1601μm~:3.3g
▪︎1401~1600μm:2.2g

微粉量検証
▪︎豆量:20g
▪︎目開き:400μm
▪︎スクリーニング時間:3分
当サイトでは、400μm以下を微粉として扱います。

上記を踏まえ、Barista Proの中挽き・粗挽きの性能をチェックしましょう。
20g中なので、案外無視できない量です。
エスプレッソ抽出検証
▪︎機材:Francis Francis X3
▪︎粉量:16g
▪︎圧力:9気圧以上
▪︎抽出時間:20秒以上を目標
▪︎タンピング圧:10~15kg
▪︎バスケットサイズ:49mm

機材自体は優秀ですが、相応の性能を持つミルでないと抽出はできません。
グラインド速度比較検証
▪︎豆量:20g
▪︎挽き目:29
上記内容でBarista Proの回転数とグラインド時間を測定します。
グラインド速度についてはタイムモア全製品を抑えてトップ。
Zassenhaus「Barista Pro」の評価
■挽き目の範囲:◎(極細~粗挽き)
■微粉量 :△~○(やや多め)
■挽き心地 :○(良い)
■メンテナンス:○(簡単・清潔)
■粉砕速度 :◎(非常に速い)
■持ち歩き :○(良い)
Barista Proは極細~中細挽きとしての用途に適していると感じました。
見た目はslim plusと似ていますが、用途が被っておらず微調整できる点は魅力的です。
値段が値段なので、他のミルと比較して検討すると良い買い物ができるかもしれません。
栗子C3をチェックする
Barista Proと同じく極細挽きから対応できる機種で、値段は1/4程度と遥かに低コスト。
満遍なくどの挽き目にも対応できますが、特に中粗挽き~粗挽きの微粉量が少ないです。
挽き心地も非常に良く、どんな人でも使いやすいバランスの良い仕上がりになっています。

■挽き目の範囲:◎(極細挽き~粗挽き)
■微粉量 :○(少ない)
■挽き心地 :◎(非常に良い)
■メンテナンス:○(簡単・清潔)
■粉砕速度 :○(速い)
■持ち歩き :○(良い)
slim plusをチェックする
Barista Proと見た目は同じですが、性能は大きく異なります。
Barista Proよりも微粉が少なく、中~粗挽きにおいても優秀な万能ミルです。
タイムモアのミルの中でも、全てにおいてバランスの取れた素晴らしいミルです。

■挽き目の範囲:◎(極細~粗挽き)
■微粉量 :○(少ない)
■挽き心地 :◎(非常に良い)
■メンテナンス:○(簡単・清潔)
■粉砕速度 :◎(非常に速い)
■持ち歩き :○(良い)
C2MAXをチェックする
C2の容量を1.5倍にした増量タイプ。


■挽き目の範囲:○(細~粗挽き)
■微粉量 :◎(非常に少ない)
■挽き心地 :○(良い)
■メンテナンス:○(簡単・清潔)
■粉砕速度 :◎(非常に速い)
■持ち歩き :○(良い)
栗子Xをチェックする
Barista Proと同価格帯の高級ミル。
グラインド速度が遅い代わりに硬い豆でも簡単に破砕できるため、浅煎りに強いのが特徴。

■挽き目の範囲:◎(極細挽き~粗挽き)
■微粉量 :◎(非常に少ない)
■挽き心地 :○(良いが滑りやすい)
■メンテナンス:△(機構が複雑)
■粉砕速度 :×(遅い)
■持ち歩き :△(重い/収納面は良好)
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