コーヒー沼の底からこんにちは!珈琲器具研究室こまめ家です!
本日は皆さんにご報告があります。
ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ通称JCTC。
2023年度予選突破しました!!!
良く言えばセミファイナリストやな(笑)
予選順位は2位で、ギリギリの接戦。
トップバッターで「うわ、これアカンわ」と思いましたが、意外にも全員が苦戦していましたね
後半に進むに従って、突破できるかできないかの瀬戸際でドキドキハラハラ。
期待して結局落ちたら絶望感半端ないよね〜
結局、正答数と時間のアドバンテージで無事準決勝に進出できました。
JCTCは予選ごとに豆を組み替えるということで単純な比較はできませんが、僕が居た組の正当数は5問程度で非常に難しかったと言われています。
午後の部は正答数8問続出だったみたいだから、本当にそれぞれで違うのかも~
とにかく大会出場者のサポートを担う者として、勝ち進められて嬉しい限りです。
これで2問正解とかやったら面目立たんもんな
というわけで今回は、JCTCの概要と大会で役に立ったと思った練習方法についてご紹介します。
来年以降のJCTC攻略に役立ててな~
JCTCとは?
そもそも「JCTCって何?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
JCTCとはSCAJ(スペシャルティーコーヒーアソシエーションofジャパン)というカッコイイ名前の団体が開催する大会。
スペシャルティーコーヒーってなに~?
スペシャルティーコーヒーはSCAにより定められた規格で、以下の条件を全て満たすコーヒーを指します。
- SCAカッピングフォームにおける風味評価が80点以上。
- 生豆グレーディングにおいて1次欠点が0点・2次欠点が5点以下である。
- 生豆グレーディングにおいて異臭・規定外の色味でないこと。
- 焙煎豆100g中のクエーカーが0点であること。
どれか一つでも満たせないとスペシャルティーグレードとは認められません。
こうやって見るとめっちゃ厳しい規格やな
日本で流通している「スペシャルティーコーヒー」で上記の規格を満たすものは実際には少ないと言われています。
もしも上記規格を満たすなら、全部Q認証取れちゃうもんね~
でも、スペシャルティーコーヒーという言葉が業界を盛り上げたのも事実。
しかし本来は、その厳しい条件を満たす高品質なコーヒーを啓蒙・普及する団体がSCAです。
そして日本では、SCAJがその役割を担っています。
そんなSCAJが「コーヒーの味の違い当ててみな」というのがジャパンカップテイスターズチャンピオンシップです。
JCTCの競技内容
JCTCの競技は、3つのカップから1つ風味の違うコーヒーを8セット分当てるというシンプルな内容。
この形式はトライアンギュレーションとも呼ばれ、SCAにおいてはコーヒーの均一性(uniformity)の確認に役立つ訓練です。
なんか気をつけておく事とか、ルールとか教えてや
- 検体はカッピングスプーンを用いて啜る
- 各検体を2回以上啜る必要がある
- 検体の入ったカップを触る際は持ち上げすぎない
- 解答箇所に検体の入ったカップを置くと2度と戻せない
- タイムキーパーに解答完了の意思を伝えなくてはならない
大会におけるレギュレーションについては毎年更新されるので、必ず確認しておく事をオススメします。
あと、現在の大会で許可されている事項についても紹介しますね
- カッピングスプーン持ち込み可
- 吐き捨てカップ持ち込み可
- 競技中に水を飲んでも良い
- 検体の匂いを嗅いでも良い
- 検体は飲んでも吐き出しても良い
上記の点についても、ルール改定に伴い変わる可能性がある点はご注意ください。
匂いを嗅ぐのはOKやけど、必ず2回啜るってルールがあるから失格だけは注意したいな
要は、競技者が持ちうる全ての技量を以て風味を判断できます。
しかもスプーンさえあれば、ほぼ手ぶらで参加できてしまうのも魅力的。
専門的な道具は不要やし、コーヒーを抽出する大会よりも気軽に出れるのがええな
2023年度JCTCの予選・決勝戦の概要
2023年度のカップテイスターズは7~8月にかけて大阪・東京で予選があり、9月29日に東京ビックサイトで準決勝・決勝が予定されています。
予選では24名が2日間午前・午後の部に分かれ、東京と大阪合わせて196名が参加したとのこと。
前は競技者応募の人数制限で競技に参加できなさすぎて「クリック選手権」って揶揄されてたよな
2023年からコロナ規制緩和につき、人数枠が増加したのが良かったですね
そして予選では関西から8名、関東から8名の計16名が準決勝へ進出できます。
24人毎のブロック戦とはいえ、一気に2人まで減るのは結構キツいです。
有名なロースターやコーヒー店からも精鋭が揃うし、特に今年はファイナリスト4人が一同予選に集まった「死の組」とかいうブロックもあったらしいで・・・
しかし何があるかわからないのが競技会。
その時のコンディションによって、勝てる可能性も十分にありますからね
そして準決勝に進出できれば、そこからさらに上位4名が決勝へ進出できます。
さらにさらに、その決勝で勝てたら世界大会に出場できるんですよ〜
実のところ、JCTCは世界大会のための国内予選とも言える立ち位置にあります。
現在のJCTCは世界大会を視野に入れ、レギュレーションの変更を含めて日本代表が世界に勝てるように取り組んでるとのこと。
例えば、以前までフレンチプレスで抽出していた検体をバッジブリューに変更した点は顕著ですね
という事もあり、JCTCは毎年内容が進化する可能性を秘めています。
となると、難易度も年々高くなるかもね~
今大会は、その第一弾として相応しい内容になっていると言えるかもしれません。
JCTCに向けたトレーニング方法
他の競技者の練習も含めると、JCTCの練習において以下のような方法があります。
- ミル別・同粒度でカッピング
- 同ミルの挽き目別でカッピング
- ブレンド豆の比率別でカッピング
- 地域別・同品種の豆でカッピング
- 有機酸の添加
結構あるんやな
ただ、上記の中で実行が難しいのは①と④ですね
①は粒度分布の検証が可能な設備が必要で、最もコストの高い方法です。
こまめ家は施設の恩恵もあり、基本的に①の方法で練習していましたね
また、④は豆を入手するルートの確保が困難であり特定の環境でしか再現できません。
となると、環境を再現できるカッパーと共同練習するのが1番現実的やな
このトレーニングに限らず、共同練習は得られるものが大きいためオススメです。
そして②と④については、どうしてもカップ毎の差が大きくなってしまいます。
要するに、本番はそれらより難易度が高いってことね~
①~④の練習以外でええのないんか!?
というあなたのために、1つ考案した方法があります。
それが⑤の有機酸の添加ですね
有機酸ってなに~?
有機酸とは、酸性を示す有機化合物の総称で、食品の中では酸味を示す原因物質の一つである他、酸化を防止したり抗菌性も期待される等、その機能的性質にも注目されています。代表的なものでは、柑橘系果物や梅干し等に多く含まれる「クエン酸」や、お酢の主成分である「酢酸」、リンゴやワインに酸味を与える「リンゴ酸」等があります。
引用:http://www.mac.or.jp/technical/organicacid/
また、有機酸と無機酸の違いも確認しておきましょう。
酸は強弱の区別の他に、無機と有機という材質的な区別があります。塩酸、硫酸、硝酸などの炭素を含まないものを無機酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸など炭素を含むものが有機酸です。
引用:https://www.geolab.jp/science
一般的な有機化合物の定義と同じやねんな
そして有機化合物の中で、水溶した際に電離して水素イオンを放出するのが有機酸ということですね
そんな有機酸はコーヒーに複数含まれていますが、特に下記の2つは入手が容易かつ安全に使用できます。
- クエン酸
- リンゴ酸
リンゴ酸は食品添加物として用いられる事が多いですが、クエン酸は食品用と掃除用があるので注意して下さい。
逆に食用は掃除にも使えるから割と重宝するで!
一応こまめ家で使用しているものは下記の通りなので、参考程度にどうぞ。
上記の有機酸をコーヒー粉に少し混ぜる事で、高難度の練習が可能です。
お試しあれ〜
JCTCまとめ
予選で感じた内容としては、とにかく全部のコーヒーがうまい。
めちゃくちゃ常飲したいコーヒーやんな
どれもキャラメルやヘーゼルナッツ、アーモンドなど焙煎由来の甘いアフターが目立ち、豆のテロワールがとてもわかりにくいです。
ボディについても、バッジブリューのためか質感が似通っており明確な判別が困難でしたね
となると、酸質・インテンシティ・フレーバーの感知しかなくね?
というわけで1セット目以降集中的に酸・フレーバーを確認して選んだ結果、功を奏した形になりました。
正直な話、ミル別の練習とほぼ同じような感じです。
それくらい差が出てなかったですね
実際に模擬大会や本番を通して、現在かなり近い検体が用意できている気がします。
テイスターズは毎年ありますが、1年前から練習しているという出場者・決勝進出者も居るとか…
「次のJCTC出たいけど、全然練習できない」というそこのあなた。
是非こまめ家にお問い合わせ下さい。
4検体を1時間で2セット分できるので、初回の方は無料体験できます。
詳しい予約方法と料金表はこちらで公開しているので、是非チェックしてみてください。
ご来店お待ちしています!
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