こんにちは。こまめです。
最近ふと、海外の抽出理論を見ていて思った事があります。
あれ?ドリップのコーヒー粉細かくない?
え?どっち?
いつも使ってるのは右だと思う〜
基本的に中挽きの定義は、人により大きく異なるものです。
ザラメより小さいとか色々ありますが、そもそもザラメも上白糖も企業の製品毎に大きな差があります。
昔の挽き比べ検証で見た目の粒度検証をしていましたが、粒度にはバラつきが必ずあるため、目視は正直アテになりません。
というように明確な定義が存在しないため、こまめ家ではカルディが扱う高性能業務ミルDittingの挽き目「8」を基準としています。
どうしてカルディなの?
検証した中で1番綺麗な分布だったからですね。微粉量も少ないし
また、手挽きミルの中でも最高性能を誇るTIMEMORE「Xlite」のドリップ推奨粒度「15」と一致した事も、適正粒度を決定した決め手です。
グラフ化すると下記の通り。
かなり分布が似ているのね〜
しかしながら、海外のドリップ動画を拝見するとそれらよりも断然細い挽き目に見えます。
バリスタハッスルという教材でも、抽出方法に関する動画を見ると「細い」って思っちゃいますね
という事で今回は中挽きの定義を新たに追加し、検証の幅を広げたいと思います。
そこで注目したのが、SCAカッピングプロトコルです。
SCAカッピングプロトコルとは?
SCA(Specialty Coffee Association)が定めるカッピングにおける推奨基準を指します。
その中に、粒度の基準が明確に記載されていました。
Grind particle size should be slightly coarser than typically used for paper filter drip brewing, with 70% to 75% of the particles passing through a U.S. Standard size 20 mesh sieve.
https://sca.coffee/research/protocols-best-practices
上記を翻訳にかけると、下記のような内容になります。
粉砕粒子のサイズは、一般的なペーパーフィルタードリップ醸造に使用されるものよりやや粗くなければならず、粒子の70%から75%が米国標準サイズの20メッシュのふるいを通過する。
ここで記載される「20メッシュ」とは、日本のJIS規格850μmを指します。
つまり850μm以下で70~75%の粉が通過すればOKという事です。
「ペーパーフィルタードリップよりやや粗め」と記載されてるけど、ペーパーフィルター用は更に細かいって事?
文章を見る限りは、そう解釈できますね
中挽きの目安設定
SCAカッピングプロトコルの基準に基づいて、こまめ家では下記の基準を作ります。
- SCA基準ドリップ用
- SCA基準カッピング用
- こまめ家基準
SCAカッピングプロトコルの基準を下回る粒度分布を持つ最初の挽き目をドリップ用とし、カッピング用の粒度と分けました。
こまめ家基準は従来通り〜
この設定には理由があり、コーヒーミルによってカッピング用の基準を満たさないものがあるためです。
例えば、カルディが扱う業務用ミルのDittingは、1段階毎の粒度差が非常に大きいです。
そのため、挽き目「6」と「7」の分布には大きな隔たりがあります。
「7」は850μm以下の粒量が70%以下で、基準値に到達せず、「6」は逆に75%を超過しています。
この場合はカッピング用としての基準は満たさないため、SCAにおけるドリップ用の粒度の基準として捉える事にしました。
こまめ家基準の設定について
【2023年2月更新】こまめ屋基準の設定について新たな基準を設けました。
今後の検証からは分布の項目として「中央値(D50)」を追加します。
今までの検証では、どうしても物足りない部分があったんですよね
こまめ家における中挽きの基準値は、従来通りカルディの中挽きを軸に設定しています。
ただし「何をもって同じ粒度と定義しているのか?」という根拠は下記の2種のみの判断としていました。
- 最大粒径が基準値に近い量であること
- 601〜1180μmにおける存在比率が高い事
②に関しては①を補助する一材料に過ぎひんねんな
そのため、下記のケースでは判断が難しい状態でした。
24だと粗すぎる気もするけど、23は比率が24より低いから選び難いですね〜
そのため「この状態では根拠に乏しい」と感じていました。
それを解決するために導入したのが「CM-200」
CM-200は端的に言えば「粒度の中央値を算出できる」という便利な機能を持ったマシンです。
用途にはクセがあるから、気になる人は記事をチェックしてな
CM-200を採用したことで、根拠の条件が下記のとおり変化します。
- 最大粒径が基準値に近い量であること
- 中央値(D50)が基準値に近いこと
上記条件で基準値に近い方を「こまめ家基準」として採用します。
この条件でコマンダンテの中央値を求めた結果、以下のようになります。
カルディの挽き目に近いのは「23」である事がわかりました。
あら、目安ちょっと変わったな
という事で、以前の基準と比較して基準値の決定で迷う事が無くなりました。
当基準を採用し、今後はさらに精密な検証結果をお届けします。
まとめ
以上の点を踏まえ、中挽きの粒度分布を検証する際はSCAの基準値を目安に盛り込みます。
同じミルをお持ちの方は、是非検証値を踏まえてお試し頂いた上で、ご自身のベストな挽き目を探してみて下さい。
ということで、今回は以上で〜す
他にも収集して欲しいデータ・検証リクエスト等承りますので、何かあればコメント欄や各種SNSにご連絡下さい。
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これからも「こまめ家」をよろしくお願いします。
コメント
コメント一覧 (2件)
ずっと気になってるのですが、表の中のスペルが間違ってます。
Detting→Ditting
また、Dittingにカルディと特記する意味がよくわからないのと、それよりDittingのどのモデルなのかを定義した方がより良いと思います。
ご指摘ありがとうございます!
確かに表記間違えてましたね∑(゚Д゚)
以後の表記はdittingに直しておきます。
カルディと記載しているのは、カルディの推奨挽き目とわかるように書きたかった次第なので、この表記は今後も残しておきます。
機種についてはおっしゃる通りですね。以後の検証においてはKR-804と記載します。