
みなさんこんにちは!コーヒー研究室のこまめです!
皆さんは、コーヒーにどんな拘りを持っていますか?


最近はコンビニでも「美味しい」と思えるコーヒーが増えてきています。



時代の進化を感じるな〜
となると、コンビニだけでなくきっと他のコーヒー店も進化しているはず。


というわけで、今回はデパートなどで見かけるカルディさんで検証しましょう。



なぜにカルディ?
その理由はこの検索結果。


「カルディ コーヒー豆」と入れるだけで、トップに出てくる「まずい」の文字。



こりゃあ酷い‥そんなにヤバいのかカルディってのは



いくつか確認してみると都市伝説や誤解もあるので、ちょっと言い過ぎですね
なので以下のテーマに焦点を当て、数値を用いて検証をしていきます。
- カルディのコーヒー豆は不味いのか?
- カルディが酷評される理由は?
- 意外と知られていない公式レシピ
- カルディはどんな人にオススメ?
カルディコーヒーファームとは
カルディコーヒーファームはコーヒー豆の卸販売をしている株式会社キャメル珈琲の小売店舗です。



キャメル珈琲は創業1977年。カルディの運営は1986年だから、10年近いノウハウから生まれた販売店やったんか!



輸入食品のイメージ強くて、コーヒーにそこまで強いなんて知らなかった〜
それくらいコーヒーに特化していた実績があるのに不味いという話はなぜ出たのでしょうか。



その原因を探ってみましょう
カルディが不味いと言われる理由
コーヒー通のアレルギー
大きな原因の一つは、コーヒー好きだからこそ過剰に反応してしまうという点です。
コーヒー以外でもそうですが「あれはダメ、これはダメと」色んなアレルギーに悩まされることになります。



ネットを見れば、コーヒーに関する様々な意見が簡単に手に入るもんね〜
僕もコーヒー店で働いていた時、沢山のアレルギーに悩まされました。
- コンビニコーヒー
- シアトル系コーヒー
- 焙煎日
- 泡・灰汁
お店で「良くない」と教わる事が、非常に目につくようになりました。



「あんな焼き方・淹れ方で美味しくなるはずがない」と思い込んだり、食わず嫌いみたいになってもうてたな



なんか楽しく無さそうだし、それで誰かが傷付くかもね〜



得た知識が原因でストレスが増えて、コーヒーの楽しさから遠ざかるなんてなんだか皮肉ですね
公式レシピで淹れていない
個人的に1番ビックリした事は、公式のレシピを無視した淹れ方で評価されていることです。


後で紹介しますが、カルディのコーヒーには公式レシピがあります。



もし評論しても「それ淹れ方が悪いからじゃない?」と言われたらおしまいやしな



根拠になる材料が減るので、マイレシピで評価するのはあまりオススメしませんね
そもそも公平にコーヒー豆の味だけに焦点を置いて評価するのであれば、ドリップではなくカッピングが妥当と言えます。


カッピングは単に”美味しい・美味しくない”の判断をするのではなく「豆がどんな状態か、どんな抽出が適しているか」を判断する重要な工程です。



こまめ家のカッピングでは以下の情報をカッピングから取得できるで
- コーヒー豆由来の風味の割合
- 焙煎由来の風味の割合
- 豆由来の欠陥
- 焙煎由来の欠陥
上記情報からコーヒー豆におけるパワーバランスを特定し、抽出において何をどのタイミングで引き出すか計画を立てることができます。



無いものは出せないし、過剰なものは意図的に抑えれば良いだけだもんね
なのでカッピングを行った上で、理論を透過式抽出に当て嵌めて検証することが理想のコーヒーの近道です。





つまり、初めから自己流抽出で「美味い・不味い」を断じるには情報が偏り過ぎってことや
もし、カッピングからドリップの理論まで一貫させたいと思っている方はこまめ家の「センサリー・ドリップスクール」をチェックしてみてください。


コーヒー豆の保管方法に関する偏見
食べても試してもいないのに、批評する人を見た事ありませんか?


不用意な発言で「飲んでないのに評論している」とバレることがあります。



保管方法に関する発言は、勘違いが多いよな





カルディといえば、ショーケースにズラッとコーヒー豆が並んでいますよね
それに対して、ケース保管していると思い込んで評論している人がいます。



ちゃんと別の場所に保管してるのに、見た目で騙されちゃってるよー!
ショーケースの豆はあくまでも見せる用なので、もし批判をしている人を見つけたら教えてあげてください。
カルディのコーヒー豆をレビュー
今回はカルディのブレンド豆「マイルドカルディ」をカッピングではなく公式レシピに沿って抽出します。





公式は台形ドリッパー使用していますが、挽き目で透過速度調整もできるので今回は円錐でドリップします!
そして今回の検証では味だけでなく「収率」という数値を用いて検証をしていきます。



収率は、コーヒー豆の成分が液中にどれだけ溶け出したか確認するための数値だよね〜



収率の詳細や計算方法は下記の記事でも紹介してるで!


マイルドカルディとは
マイルドカルディはブラジル豆中心のブレンドで、カルディの中でも良コスパのコーヒー豆です。



たまに店舗に行ったら半額セールもしてるし、とんでもなく安い時あるよね!
公式では苦味と酸味のバランスが整ったコーヒーとして販売されており、淹れ方によって様々な顔を見せるコーヒーと言えます。



他サイトのレビューでは、苦味が強いとか酸味が強いとか意見がバラバラやね



評価方法が結局ドリップなのと、ブレンドという特性上バラつきは出てしまいますからね
マイルドカルディの公式レシピ
マイルドカルディの公式レシピは以下の通り。
- 豆:10g
- 湯量:120~140ml
- 湯温:90℃前後
- 蒸らし時間:20秒
- 挽き目:中挽き
STEP1:ペーパーフィルターのミシン目を互い違いに折って、ドリッパーにセットします。
https://www.kaldi.co.jp/faq/product/coffee/post_9.html
STEP2:ペーパー用に挽いたコーヒーの粉を、人数分ドリッパーに入れます。粉の量は、1人分メジャースプーン1杯(10g)が標準ですが、お好みによって加減してください。
STEP3:沸騰後1~2分置いたお湯(90℃前後)を円を描くよう、粉全体に行きわたる程度に注ぎ、20秒前後蒸らします。(この蒸らしがおいしさの秘訣) 粉がふくらんだら、何度かにわけてまた、円を描くようお湯を注ぎます。
STEP4:充分にコーヒーが抽出されたらできあがり! コーヒーを、あらかじめ温めておいたカップへ移して召し上がってください。
公式の手順には時間の明記がないので、以下のパターンに分けて検証していきます。
- 1分30秒抽出
- 2分抽出
- 2分30秒抽出
また、挽き目はカルディが定義する中挽き(8番)の粉を使用しました。





挽いてもらう方が楽やし、ミルによる違いも無いしな



1日に20g使うとしたら10日で無くなるから香気成分の揮発についてもそこまでシビアにならなくていいからね〜
カルディ検証実験用レシピ


下記のレシピで抽出し、比較をしていきます。
- 豆:10g
- 湯量:120ml
- 抽出量:100ml
- 湯温:90℃
- 挽き目:カルディ「8」番(中挽き)
- 蒸らし湯量:30ml
- 蒸らし時間:20秒
①1分30秒抽出


注湯回数は合計3回。数値は以下の通り。
- TDS:1.35%(適正:1.1%~1.35%)
- 収率:13.5%(適正:18%~22%)
濃度はしっかり出ていますが豆の成分は出し切っていません。



この時点で味を確認してみましょう!
マイルドの名前に相応しいローストピーナッツのような優しい風味に仕上がっています。



苦味と酸味が控えめやから、コーヒーが苦手な人でも飲みやすいかもな



でもこれ以上時間伸ばしたら、濃度が適正範囲を超えるんじゃないの〜?



収率を上げるには時間以外の要素を弄らないと、単純に濃くなって強い口当たりになりますね
つまりレシピ通りでも抽出時間が長いと酸味や苦味を強く感じやすくなります。



今回はどんな風味になるか興味があるので、そのまま続行してみましょう!
②2分抽出


- TDS:1.56%(適正:1.1%~1.35%)
- 収率:15.6%(適正:18%~22%)



30秒増やしただけで味も全然違うで!
酸味と苦味がナッツの風味より主張が強く、コーヒーらしくなりました。



個人的には酸味のあるダークチョコのようなイメージですね
濃度が濃いので、コーヒーを飲み慣れない人には強烈かもしれません。
③2分30秒


- TDS:1.75%(適正:1.1%~1.35%)
- 収率:17.2%(適正:18%~22%)
ここまで来ると、渋味・苦味・酸味が強く喉の奥がイガイガします。



うわ、これは飲み続けるのしんどいな・・・



収率は上がっているので豆に含まれる成分はしっかり出ていますが、そもそも濃度が高いので口当たりも重いですね
マイルドカルディの抽出から得られる学び
ここで重要なのが、今回ネガティブに感じる由来が”濃度である”という結論ではないということです。



収率は適正値に近いから濃度がダメなんじゃないの?



ここでカッピングの話に戻るんですが、焙煎豆の元々の状態がカギになりますね


もしカッピングで”良くない”と感じるものがあった場合、収率を上げる程それらが抽出されやすくなります。



コーヒーはあくまでも総合バランス!良くない成分があっても、それを補う成分とのバランスを操作するのが透過式抽出の醍醐味な訳です!
検証には数値を用いましたが、適正収率というのは”前提の異なる数字”でしかありません。



つまりマイルドカルディの場合は、ローストピーナッツの甘さと軽やかな酸味を感じられる程度の収率で十分な可能性があったわけやな
結局のところ、数値のみを前提にした検証は評価を狂わせる可能性も秘めた”諸刃の剣”になり得るものです。



理論とセンサリー(感覚的)評価との両立が出来ていないと、一生答えに辿り着けないわけね
当店に相談にいらっしゃる方で”基準になる指標”を求める故に「気づかない間に数値にコントロールされていた」という事象は多々ありました。


極論を言ってしまえば「他者による評論は例え数値を用いていても平等」ということです。
ですので「美味しい・不味い」論に振り回されず、評論もエンターテイメントの一つとして情報処理し、自身のセンサリーで検証してみてください。



コーヒーを極めたい人は、俯瞰的な情報選別が必ず求められるから意思決定に役立つ書物の情報は頭に入れておいた方がええな
今回の話に関わる書物としては、心理学者のダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」を読むと理解がしやすいと思います。
マイルドカルディの評価まとめ
結論としては、マイルドカルディというコーヒー豆自体が”不味い”という評価は安直な総評と言えます。





言ってしまえば大衆向けに安く設計されてるから”安定的なコーヒー”として捉えれば十分なクオリティやと思うけどな
焙煎による甘い香りもあり酸味もある程度存在するため、それらが優位に抽出されるタイミングでドリップを終わらせてしまうのが定石となります。





今回は90℃で短時間だったから比較的口当たりはあっさりしてたよね



ブレンドという特性上浅い豆も入っているので、間を取る抽出が求められる点でテクニカルなコーヒー豆とは言えますね
言い換えれば、抽出のスキルアップを求める方には非常に使い勝手の良い練習豆となります。



正直な話「適当に抽出しても一定以上のクオリティになるコーヒーがいい!」って人とは相性が良くないかな〜



それなら焙煎に拘ってるスペシャルティーコーヒー専門店系が選択肢に入るんちゃうかな
「美味しい・不味い」自体は個人の尺度として、一度腕試しに抽出してみてはいかがでしょうか?
当記事に関してのご意見・要望があれば、お問い合わせやコメント等よろしくお願い致します。



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